Here & Now - Give And Take (1978)
Here & Now『Give And Take』(1978)について
Here & Nowの『Give And Take』は、1978年にUKのCharly Recordsから出たアルバムで、バンドの初期像をそのまま刻んだ一枚です。Here & Nowは、1970年代の英国フリー・フェスティバル周辺から育ったグループで、コミューン的な活動や無料公演を背景に動いていたバンドとして知られています。本作は、その流れの中でバンド名義に戻って出された作品で、Gong周辺の宇宙的な感触と、即興を前面に出した演奏がまとまっています。
バンドの位置づけ
Here & Nowは1974年にメンバーが集まり、無料フェスや支援運動と結びつきながら活動してきました。1977年にはDaevid AllenとGilli Smythと合流してPlanet Gongとして活動し、アルバムも残しています。その後、1978年にHere & Nowへ戻り、本作『Give And Take』が登場します。つまりこの作品は、Gongとの接点を経たあとに、バンド自身の名義で出した重要な初期作です。
制作背景としては、Daevid Allen不在の状態で録音された点が大きいです。Gong系の空気は残しつつも、Here & Now自身の演奏感が前に出た内容になっています。バンドの歴史の中では、後の展開へつながる土台を形にした時期の記録として扱える作品です。
音の印象
収録時間は約39分で、長めの展開を含みます。ギター、シンセ、反復するリズムが軸にあり、曲が進むにつれて演奏がほどけていく作りです。スペース・ロック、サイケデリック・ロック、フリー・インプロヴィゼーションの要素が表に出ていて、演奏の流れを重視した構成が目立ちます。
実際に聴くと、細かいフレーズを積み重ねるより、一定の推進力を保ったまま音を広げていく場面が多いです。メロディを強く押し出す場面よりも、リズムのうねりと音色の変化で引っ張るタイプで、初期Gongを思わせる場面がある一方、Here & Nowの名前で出ているぶん、より現場感のある演奏記録として残っています。
同時代の文脈
1970年代後半の英国では、HawkwindやGong周辺に近い宇宙的なロック、そしてフェス文化やアンダーグラウンドの即興演奏が並走していました。『Give And Take』は、その文脈の中に置くと輪郭が見えやすい作品です。大きな商業路線ではなく、共同体的な活動やライブの熱をそのまま持ち込んだ録音として聴かれています。
AllMusicでは、後年の実験色の強い作品よりも、初期のこのアルバムのほうが勢いを保っているという評価が見られます。Gong好きに向けた珍品として扱われることもありますが、それだけで片づけるには、当時の英国アンダーグラウンドの空気が濃く残っています。
収録形態と盤の特徴
今回の盤は1978年のUK盤で、Charly RecordsのNOW 1番。レーベルとしてのCharlyは旧録音の再発で知られますが、この作品はオリジナル年のリリースです。付属のインナー・スリーブにはクレジットとノートが印刷されており、黒盤ながら強い光にかざすと半透明のバーガンディ色に見える仕様です。見た目の特徴も含めて、当時のUK盤らしい作りです。
まとめ
『Give And Take』は、Here & NowがGongとの関係を経て、自分たちの名義で前に出した1978年作です。スペース・ロック、サイケデリック・ロック、即興性が交差する内容で、70年代英国のフェス文化やアンダーグラウンドの現場をそのまま記録したような手触りがあります。派手なヒット曲で押すタイプではなく、演奏の流れと音の重なりで聴かせるアルバムです。
トラックリスト
- A1 What You See Is What You Are 5:23
- A2 Nearer Now 5:42
- A3 Grate Fire Of London 7:33
- B1 This Time 4:46
- B2 Seventies Youth 5:00
- B3 Improvisation 11:04