Vinyl Record Reviews
Himiko Kikuchiは、1953年3月2日生まれの日本のジャズ・ピアニスト/キーボード奏者/作曲家/編曲家。宮城県仙台市生まれ、塩竈市育ちで、ジャズを軸にフュージョン、ジャズ・ファンクの分野で活動してきた。
菊池ひみこは1歳からクラシック・ピアノを始め、7歳の時点で宮城学院女子大学音楽科の古賀るい子、東京藝術大学教授の堀江孝子に師事している。かなり早い段階から本格的な音楽教育を受けていたことがわかる。
12歳のときにはヤマハ・エレクトーン・コンクールに出場し、バッハの「トッカータとフーガ ニ短調」で2位を獲得している。クラシックの基礎と鍵盤楽器の演奏経験が、後のプレイスタイルの土台になっているようだ。
その後は、吉田拓郎、上條恒彦、五輪真弓らのバックを務めた経験がある。ここでポップスや歌ものの現場を経験したあと、1975年頃からジャズ・ピアニストの藤井貞泰に師事している。
この流れを見ると、クラシック、ポップス、ジャズの現場を順に通ってきた経歴になっている。鍵盤奏者としての幅広い対応力は、この時期に形になっていったように見える。
1979年7月11日には、三木敏悟&インナー・ギャラクシー・オーケストラの一員としてキーボードを担当し、スイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演している。海外の大きなジャズ・フェスに参加していた点は、活動歴の中でも重要な記録になっている。
1980年には、テイチクレコードのサブレーベルContinentalからスタジオ・デビュー作『Don't Be Stupid』を発表している。以後、『Flashing』(1981年)、『All Right』(1982年)、『Woman』(1983年)、『Reverse It』(1984年)と、フュージョン/ジャズ・ファンク色の強いソロ作品を継続してリリースした。
1987年の『Flying Beagle』、1988年の『Sevilla Breeze』はCBS/ソニー・レコードから発表されている。曲作り、アレンジ、キーボード演奏をまとめて担う形で、自身の音楽を展開してきたことがうかがえる。
彼女の作品は、ジャズを基盤にしながらフュージョンやジャズ・ファンクの要素を前に出した内容として紹介されることが多い。ウェブ上でも、その方向性を持つソロ作が連続していることが確認できる。
近年はこれらの作品がリマスター仕様で復刻される動きもあり、日本のフュージョン・シーンを支えたキーボーディストとして再評価が進んでいる。