Vinyl Record Reviews
Hummingbirdは、1974年に結成された英米混成のバンドだ。中心人物は、Jeff Beck Groupでヴォーカル/ギタリストを務めていたBobby Tenchで、そこにMax Middleton、Clive Chaman、Conrad Isidore、Bernie Hollandら、Jeff Beck Group第2期のメンバーが集まった。
編成の面では、Jeff Beck Groupの流れを引き継いだバンドとして見られることが多い。デビュー作のセッション初期にはJeff Beck本人も一時的に参加したが、レコーディングには関わらず、自身のプロジェクトに戻っていった。
1975年に1作目のアルバム『Hummingbird』を発表し、その後、ギターのBernie Hollandに代わってRobert Ahwaiが加入する。さらに、ドラムにはセッション・ドラマーのBernard “Pretty” Purdieが加わった。この編成で1976年に『We Can't Go On Meeting Like This』、1977年に『Diamond Nights』をリリースしている。
3作はいずれもプロデューサーIan Samwellのもと、A&M Recordsからアメリカ、カナダ、オーストラリア、日本、ヨーロッパで発売された。主な活動の場はアメリカのほか、ヨーロッパや日本でもあったようだ。バンドは1977年ごろに活動を終えている。
Hummingbirdの音楽は、ブルース・ロックを土台に、ファンクやソウル、リズム・アンド・ブルースの要素を重ねたものとして整理できる。ジャンル表記でもRock、Funk / Soul、スタイルではBlues Rock、Funk、Soul、Rhythm & Bluesが挙がっている。
Jeff Beck Group由来のメンバーが多いこともあり、ロック寄りの演奏感を持ちながら、リズムの置き方やグルーヴの作り方にファンクやソウルの要素が入っている。Bernard Purdieの参加は、その後の編成でリズム面をさらに強める動きとして見て取れる。
確認できるメンバーには、Bobby Tench、Max Middleton、Conrad Isidore、Clive Chaman、Bernie Holland、Robert Ahwai、Bernard Purdieがいる。いずれもJeff Beck Group周辺の人脈にある人物が多く、バンドの出発点がかなり明確だ。
この背景から、Hummingbirdは単独で急に現れたバンドというより、Jeff Beck Groupの解体後にメンバーが新しい形を作ったものとして理解しやすい。実際、初期のセッションにJeff Beck本人が顔を出している点も、そのつながりを示している。
Hummingbirdを聴くときは、ブルース・ロックのギター中心の組み立てと、ソウル寄りの歌やリズムの動きを分けて追うとわかりやすい。Bobby Tenchのヴォーカルとギター、Max Middletonのキーボード、そしてPurdie加入後のリズム隊の組み合わせが、各アルバムの核になっている。
3枚のアルバムしか残していないので、活動期間の短さも含めてまとまりのあるバンドだ。Jeff Beck Groupの周辺史をたどるときにも、ブルース・ロックとファンク/ソウルの接点を探すときにも、外せない名前として扱われている。