Vinyl Record Reviews
Infringementは、ノルウェー・オスロを拠点に活動するプログレッシブ・ロック・バンドだ。編成はBård Torstensen、Espen Larsen、Kristoffer Utby、Hans Andreas Brandal、Stig André Clasonの5人。プロフィールによると、バンドの音楽はロックとシンフォニック・ロックを土台にしたプログレッシブ・ロックとして説明されている。
バンドの始まりは2015年11月のオスロ。Stig André Clason(The Windmill出身のギタリスト)、Kristoffer Utby、Hans Andreas Brandalの3人が、ウイスキーを飲みながら音楽の話で意気投合したことがきっかけになった。翌2016年春にはEspen Larsenがベーシストとして加入し、そこから本格的に活動を進めていく流れになる。
2017年5月に発表したデビュー作『Transition』は、擬人化された「家」の視点から、ある一族と地域社会が何世代にもわたって変化していく様子を描いたコンセプト・アルバムだった。物語性の強い構成で、作品全体を通してテーマを追うタイプのアルバムになっている。
続く2019年11月の2作目『Alienism』では、架空の精神医療施設「Gentmire Institute」を舞台に、患者たちの内面を掘り下げるコンセプトを採っている。前作に続いてストーリー性を重視しつつ、題材はより重い方向へ進んでいる。
Infringementのサウンドは、1970年代プログレッシブ・ロックの影響を感じさせる一方で、グルーヴィでファンキーなリズムも取り入れているとされている。単に古典的なプログレをなぞるのではなく、ネオ・プログレやシンフォニック・ロックを軸にしながら、複数の要素を組み合わせている点が特徴になっている。
また、ウェブ上の情報では、結成初期からコンセプト・アルバムへの志向がはっきりしていて、曲単位の完成度だけでなく、アルバム全体で物語を組み立てる作り方が目立つ。ロックを基盤にしつつ、シンフォニックな展開や複雑な構成を取り込むスタイルが、バンドの中心にある。
Infringementは、オスロでの偶然の出会いから始まり、コンセプト・アルバムを軸に活動を続けているバンドだ。作品ごとに題材を変えながら、プログレッシブ・ロックの枠内で独自の組み立て方を見せている。