Vinyl Record Reviews
Iron Maidenは、1975年にイングランド・東ロンドンのレイトンで、ベーシスト兼主要ソングライターのスティーヴ・ハリスによって結成されたヘヴィメタル・バンドだ。ハードロックとヘヴィメタルを軸に、長い活動の中で世界的な支持を集めてきた。
バンドはパブでの活動を重ねながら存在感を強めていった。初期にはメンバーチェンジが多く、ヴォーカル、ギター、ドラムともに複数のメンバーが入れ替わっている。その中で、スティーヴ・ハリスが中心に立ち続けたことが、バンドの継続性を支えてきた。
この時期に、ステージ上で張り子の頭部に血糊を仕込んだ人形「エディ」を使い始めたことが、後のバンドの象徴につながった。デレク・リグスによるエディのイラストはアルバムごとに姿を変え、ツアーでは巨大な実物大のエディが登場することもある。
Iron Maidenの音楽は、ハードロックの骨格に、ツインギターを中心とした重いリフ、速い展開、ドラマ性のある構成を組み合わせたものとして知られている。ベースのスティーヴ・ハリスが前に出る場面も多く、うねるようなベースラインが曲の推進力になっている。
ギターは、デイヴ・マーレイ、エイドリアン・スミス、ジャニック・ガーズの編成が長く定着し、複数のギターが絡むアレンジがバンドの基本形になっている。ブルース・ディッキンソンの加入後は、広い音域を使うヴォーカルも加わって、楽曲の構成がさらに明確になった。
1981年にブルース・ディッキンソンが加入し、その初参加作となった1982年の『The Number of the Beast』が大きな転機になった。このアルバムは全英アルバムチャート1位を記録し、ヘヴィメタル史でも重要な作品として扱われている。
同名の先行シングルは、スティーヴ・ハリスが映画『オーメン2』を見た後の悪夢と、ロバート・バーンズの詩「Tam o' Shanter」から着想を得たとされる。宗教的な題材を含んでいたため、アメリカでは宗教団体から強い反発を受け、レコード焼却運動やツアー中の抗議活動につながった。
Iron Maidenは、結成以来かなり多くのメンバー交代を経験している。ヴォーカルはポール・マリオ・デイ、デニス・ウィルコック、ポール・ディアノ、ブルース・ディッキンソン、ブレイズ・ベイリーと変遷し、ギターも複数のメンバーが入れ替わってきた。
長く続いた編成としては、スティーヴ・ハリス、デイヴ・マーレイ、エイドリアン・スミス、ジャニック・ガーズ、ニッコ・マクブレイン、ブルース・ディッキンソンのラインがある。ニッコ・マクブレインは2024年以降ツアーには参加しておらず、2025年にはライブ演奏のみの形でサイモン・ドーソンが加わっている。
ブルース・ディッキンソンは商業パイロットの資格を持ち、バンド専用機「エド・フォース・ワン」を自ら操縦することでも知られている。こうした点も含めて、Iron Maidenは音楽だけでなく、ライブの運用やビジュアル面でも独自の存在感を保ってきた。
2010年の楽曲「El Dorado」では、2011年のグラミー賞で最優秀メタル・パフォーマンス賞を受賞している。結成から半世紀近くが経っても、現在まで現役で活動を続けているバンドだ。
Iron Maidenは、ヘヴィメタルの定番的な編成やステージ演出、楽曲構成を広く浸透させたバンドとして扱われることが多い。エディの存在、長尺の曲展開、複数ギターによるアンサンブル、そしてブルース・ディッキンソン加入後の強い歌唱が、バンドの特徴として定着している。
公式サイトや各種SNSでも継続的に情報発信を行っており、長年のファンだけでなく、新しいリスナーにも届く形で活動を続けている。