Vinyl Record Reviews
Lene Lovich(レネ・ラヴィッチ)は、1949年3月30日に米ミシガン州デトロイトで生まれた、アメリカ出身のニューウェイヴ系シンガー/ミュージシャン/ソングライターです。13歳のときにイングランドへ移り、その後はイギリスを拠点に活動しました。ジャンルはElectronic、Rockにまたがり、スタイルとしてはNew Wave、Synth-pop、Leftfieldに分類されています。
ウェブ上の情報では、ラヴィッチはセルビア系の血を引き、渡英後にギタリスト/ソングライターのレス・チャペルと出会っています。チャペルはのちに生涯のパートナー兼音楽的な盟友になりました。ラヴィッチはセントラル・スクール・オブ・アート・アンド・デザインでサックスを学び、その後はロンドンの地下鉄での路上演奏、キャバレークラブでの「オリエンタル」ダンサー出演、ボブ・フラッグズ・バルーン・アンド・バナナ・バンドでのサックス演奏など、アンダーグラウンドな現場で経験を重ねています。
ラヴィッチの名前を広く知らしめたのは、1979年のシングル「Lucky Number」です。この曲は1978年のデビューアルバム『Stateless』からの「I Think We're Alone Now」カヴァーのB面として出され、その後スティッフ・レコードによってA面として再リリースされました。結果として全英シングルチャート3位を記録しています。曲はラヴィッチとレス・チャペルの共作で、チャペルがプロデュースを担当しました。
スティッフ・レコードからは次の3作を発表しています。
ラヴィッチの作品は、ニューウェイヴ、シンセポップ、ロックの要素を軸にしつつ、少し外れた感触を持つ楽曲が並びます。プロフィール上のジャンル表記にElectronicとRockがあり、スタイルとしてLeftfieldも挙がっています。実際、初期の活動歴を見ると、サックス、ストリート演奏、キャバレー、バンド活動といった複数の現場を通ってきた人で、その経歴が曲作りや歌い方にも反映されている形です。
「Lucky Number」のヒットによって、ラヴィッチはニューウェイヴを代表するアーティストの一人として認知されました。派手な一発屋として消費されるタイプではなく、アンダーグラウンドの現場からポップ・チャートまで移動してきた経歴そのものが、かなり特徴的です。
ラヴィッチは1990年代初頭にいったん音楽活動から離れています。その後、2005年に『Shadows and Dust』でカムバックし、以降も断続的に活動を続けています。長い休止を挟みながらも、ニューウェイヴ期から続く名前として現在まで残っているアーティストです。