Vinyl Record Reviews
Lindstrømは、ノルウェー出身のHans-Peter Lindstrømによる名義だ。1973年2月16日生まれで、ノルウェー南西部の小さな漁村Flekkefjordで育った。子どもの頃はカントリー・ミュージックに親しみ、のちにオスロへ移って制作活動を続けている。現在はプロデューサー、DJ、そしてマルチインストゥルメンタリストとして活動し、ドラム、ギター、ベース、キーボードを演奏する。
1990年代、オスロのクラブでDJをしていたPrins ThomasがWham!の「Club Tropicana」をかけたことをきっかけに、Hans-Peter Lindstrømと意気投合したという。そこから二人はLindstrøm & Prins Thomas名義でも活動するようになった。自主レーベルのFeedelityやFull Puppを拠点に、スペース・ディスコと呼ばれるサウンドを形にしていく。
このスペース・ディスコは、宇宙的な響きやサイケデリックな質感と、四つ打ちのビートを組み合わせたものとして知られている。2000年代のニューディスコ/ヌーディスコ・シーンでは、この路線を広げた存在としてよく名前が挙がる。
2008年には、ソロ・デビュー作『Where You Go I Go Too』を発表した。このアルバムは3曲構成で、収録曲の長さも約29分、10分、16分とかなり大きい。とくにタイトル曲は、70以上のレイヤーを生演奏と電子音で重ねて作られた作品として知られている。
Lindstrøm自身が「完成させるのが悪夢だった」と振り返っているように、制作はかなり大変だったようだ。その一方で、批評面では高く評価され、2009年のノルウェー・グラミー賞(Spellemannsprisen)でベスト・エレクトロニカ・アルバム部門を受賞した。ノルウェーのアルバムチャートでは11位を記録している。
Lindstrømは、プロデューサーとしてもDJとしても活動しながら、オスロを拠点に作品を出してきた。ソロ名義の作品だけでなく、Prins Thomasとの共同作業でも知られていて、ノルウェーのディスコ/ハウス周辺の流れを語るときに外せない名前のひとつだ。公式サイトやBandcamp、SoundCloud、YouTube、SNSでも活動情報を追うことができる。