Vinyl Record Reviews
Lionel Richie(ライオネル・リッチー)は、1949年6月20日生まれのアメリカ出身のR&Bシンガー、ソングライター、コンポーザー、俳優だ。アラバマ州タスキーギ出身で、1970年代にはコモドアーズのフロントマンとして活動した。
ジャンルはPop、Funk / Soulにまたがり、スタイルとしてはBalladやContemporary R&Bに位置づけられている。バンド時代からソロ期まで、歌唱だけでなく作曲でも強い存在感を示してきたアーティストだ。
リッチーは1968年ごろにコモドアーズへ加わり、ヴォーカルとサックスを担当した。コモドアーズはもともとファンク色の強いダンス・ナンバーで知られていたが、リッチーがソングライティングを担うようになると、音楽の幅が広がっていく。
その流れの中で、「Easy」「Three Times a Lady」「Still」といったバラードがヒットした。バンドの持ち味に、ポップ寄りのメロディと歌ものの要素が加わっていった形だ。
コモドアーズ在籍中から、リッチーは外部アーティストへの曲提供も行っていた。1980年にはケニー・ロジャースのために「Lady」を書いている。
1981年にはダイアナ・ロスとのデュエット「Endless Love」を制作し、全米1位を記録した。この曲はモータウンの大きなヒットのひとつとして扱われ、長く知られる作品になっている。
1982年に初のソロ・アルバム『Lionel Richie』を発表し、「Truly」が全米1位になった。続く1983年の『Can't Slow Down』は全米アルバム・チャートで1位を記録し、世界で2,000万枚以上を売り上げたとされている。
このアルバムからは「All Night Long (All Night)」や「Hello」もヒットした。いずれもメロディがはっきりしていて、歌を中心に構成された楽曲だ。バラードとポップの両方で強い実績を残している。
1985年にはマイケル・ジャクソンと共作した「We Are the World」が発表された。チャリティ・ソングとして広く知られていて、リッチーの名前が大きく広がるきっかけのひとつにもなった。
1986年の『Dancing on the Ceiling』では、映画『ホワイトナイツ/白夜』のために書いた「Say You, Say Me」が話題になった。この曲はアカデミー賞とゴールデングローブ賞の主題歌賞を受賞している。
リッチーの楽曲は、ファンクやソウルの土台を持ちながら、聴きやすいポップ・メロディへつなげていく作りが目立つ。バンド時代のダンス・ナンバーと、ソロでのバラードの両方に実績がある。
特に「Easy」「Three Times a Lady」「Hello」のような曲では、歌のフレーズが前に出ていて、派手な演奏よりもメロディと歌唱が曲を引っ張っている。Contemporary R&Bの文脈でも参照されやすいタイプのアーティストだ。
2018年からはオーディション番組『American Idol』の審査員も務めている。長年のキャリアを持つ歌手として、現在もメディア露出がある。
2022年にはロックの殿堂入りを果たした。コモドアーズ時代からソロ活動までの功績が、あらためて評価された形だ。