Vinyl Record Reviews
Luke Vibertは、1973年1月26日にイギリス・コーンウォールで生まれた電子音楽のコンポーザー/プロデューサーです。Electronicを軸に、IDM、Breakbeat、Acidを行き来する作品で知られています。公式サイトのほか、Wagon Christ名義のサイトやBandcamp、Warp、Planet Muなど複数の関連ページがあり、長く継続して制作と発表を続けてきたことがわかります。
ウェブ検索で確認できる情報では、コーンウォール出身のLuke Vibertは、後にAphex Twin主宰のRephlexレーベルから作品を出す仲間たちと同じ学校に通っていました。その後、パンク・バンドFive Minute Fashionや、Beastie Boysの模倣バンドHate Brothersでの活動を経て、低コストで完結する宅録中心のソロ制作に移っていきます。
この流れから、バンド活動の延長というより、個人の制作環境の中で音を組み立てていくスタイルが早い段階で固まっていったことが見えてきます。実際、彼の作品は、ビートの組み方や音色の選び方に、宅録ならではの柔軟さが反映されています。
Luke Vibertの大きな特徴は、Wagon Christ、Plug、Kerrier District、Amen Andrews、Ace Of Clubs、Spac Hand Luke、Butler Kievなど、多数の別名義を使い分けてきた点です。それぞれの名義で、ダウンテンポ、アシッド・ハウス、オールドスクール・レイヴ、IDM、ジャングル、エレクトロ、ディスコなど、違う方向の音楽を試しています。
同じ人物の作品でも、名義ごとにかなり役割が分かれているので、Luke Vibertを追うときは名義単位で聴いていくと整理しやすいです。
中でもWagon Christ名義は、特に支持の厚い名義として知られています。アンビエントとヒップホップのインストゥルメンタル、スローなブレイクビーツをつなげたスタイルは、トリップホップ初期の流れと重なります。
1995年に発表されたWagon Christとしての2作目『Throbbing Pouch』は、トリップホップ史の中でも影響力の大きい作品として今も評価されています。ビートの細かな組み替えと、サンプル感のある音の扱いが目立つ作品で、Luke Vibertの名前をたどるうえで外せない1枚です。
2020年には、Amen Andrews、Modern Rave、Rave Hopという異なる作風の3作を続けてリリースしています。同じ年に、9年ぶりとなるWagon Christ名義の新作『Recepticon』も発表しました。ひとつの名義に固定されず、時期ごとに違う方向へ制作を進めている様子がうかがえます。
Luke Vibertは、IDMやブレイクビーツの文脈だけでなく、アシッド・ハウス、ジャングル、エレクトロ、ディスコにも触れてきたプロデューサーです。作品数が多いので、まずはWagon Christ名義の作品、特に『Throbbing Pouch』から入ると流れをつかみやすいです。そのあとでPlugやKerrier District、Amen Andrewsに進むと、名義ごとの違いが見えやすくなります。
関連情報は公式サイトのほか、Bandcamp、Warp、Planet Mu、Wagon Christのサイトなどで確認できます。長く活動しているアーティストなので、現在進行形の作品と過去作を並べて聴くと、作風の変化も追いやすいです。