Vinyl Record Reviews
Lunaは、イタリアのプログレッシブ・ロックを代表するナポリ出身バンド、Osannaでギタリストとして活動したダニーロ・ルスティチが、1977年に結成したグループだ。メンバーはジョー・アモルーゾ、ダリオ・フランコ、ダニーロ・ルスティチ、サバティーノ・ロマーノで構成されている。
ルスティチはOsannaで、リノ・ヴァイレッティのヴォーカル、エリオ・ダンナのフルートとともに、70年代イタリアン・プログレを代表するサウンドを作っていた。Osannaがロンドンで活動していた時期には、ルスティチとダンナが現地に残り、チェルヴェッロ出身のコッラード・ルスティチらとNovaを結成している。Lunaは、そうしたナポリ周辺のプログレ人脈の流れの中で生まれたバンドとして位置づけられる。
Osannaが解散する少し前、ルスティチはジョー・アモルーゾ(キーボード)、ダリオ・フランコ(ベース)、サバティーノ・ロマーノ(ドラムス)を迎えてLunaを結成した。1980年8月には、Splashレーベルからセルフタイトルのデビュー・アルバムを発表している。
その後の活動については、今回の情報では詳しく確認できないが、少なくともこのデビュー作がLunaの代表的な記録として扱われている。
Lunaのサウンドは、OsannaやNovaに連なるナポリのプログレッシブ・ロックの系譜を受け継ぎつつ、シンセサイザーを取り入れたスペースロック寄りの質感を備えている。ジャンル表記としてはElectronic、Rock、スタイルとしてはProg Rock、Space Rockが挙がっている。
ルスティチのギターワークを軸にしたバンドである点は、前身バンドの流れとも重なる。そこにキーボードが加わることで、70年代イタリアン・プログレの演奏主体の組み立てと、80年代に近づく時期の電子音的な要素が同居している。
Lunaは広く知られる存在にはならず、のちにイタリアン・プログレのマニアの間で再発見されたバンドとして扱われている。メジャーなバンド名ではないが、OsannaやNovaの周辺をたどると見えてくるグループで、ナポリのプログレ史を追う上では押さえておきたい一組だ。
イタリアン・プログレが好きなら、Lunaはその周辺史とあわせて聴くと流れがつかみやすい。ルスティチのギターを起点に、70年代プログレの語法とスペースロック的な要素がどう結びついているかを確認できるバンドだ。