Mahavishnu Orchestra

Vinyl Record Reviews

Mahavishnu Orchestra

Mahavishnu Orchestraとは

Mahavishnu Orchestraは、1971年にニューヨークで結成されたアメリカのジャズ・フュージョン・バンドだ。ジャンル表記ではRock、Jazzにまたがり、スタイルとしてはProg Rock、Fusion、Jazz-Rockが挙げられている。中心人物はギタリストのJohn McLaughlinで、バンド名の「Mahavishnu」は、彼が師事していた精神指導者シュリー・チンモイから授かった称号に由来する。

当時のMcLaughlinは、Miles DavisやTony WilliamsのLifetimeでの活動を経てこのバンドを立ち上げた。名前の由来には、彼自身の信仰心と、単なる個人名義のバンドよりも強い印象を残す名前にしたいという意図があったとされている。

活動の流れ

初期の編成は、John McLaughlinのエレクトリック・ギターを軸に、Jerry Goodmanのヴァイオリン、Jan Hammerのキーボード、Rick Lairdのエレクトリック・ベース、Billy Cobhamのドラムで構成されていた。この編成で1971年から1973年にかけてColumbia Recordsから3枚のアルバムを発表している。

その後、メンバーは大きく入れ替わった。1974年の編成では、Jean-Luc Pontyがヴァイオリン、Gayle Moranがキーボードとヴォーカル、Ralphe Armstrongがベース、Narada Michael Waldenがドラムを担当した。1975年にはStu GoldbergがMoranに代わり、Pontyは脱退している。バンドは1975年に解散した。

1984年には再結成の試みも行われた。Billy Cobham、Bill Evans、Jonas Hellborg、Danny Gottliebらが参加し、Warner Bros. Recordsから1枚のアルバムが出ている。ただし、この再始動は長く続かなかった。

音楽的な特徴

Mahavishnu Orchestraは、ロックの強い音量感と、ジャズ由来の即興演奏を結びつけたバンドとして知られている。活動当時の観客や批評家の多くはロック・バンドとして受け止めていた一方で、演奏内容はかなり複雑で、ロックとジャズの中間に位置するものとして扱われてきた。

特に初期作では、変拍子、エキゾチックな音階、超高速のフレーズ、歪みの強いギターサウンドが前面に出ている。John McLaughlinのギターは、マーシャル・スタックによる歪みやフィードバックを積極的に使ったもので、当時のロック・ギターの文脈でもかなり目立つものだった。

また、ヴァイオリンを前面に置いた編成も特徴的だ。Jerry GoodmanやJean-Luc Pontyの参加によって、ギターだけでなく弦楽器の線も音楽の中心に入っていた。キーボード、ベース、ドラムも含めて、各楽器が高速で複雑なフレーズをやり取りする形が、このバンドの基本になっている。

代表的な初期作『The Inner Mounting Flame』

1971年のデビュー作『The Inner Mounting Flame』は、Mahavishnu Orchestraを語るうえで外せない1枚だ。ここでは、McLaughlinのギターが持つ高速性と精密さ、そして変拍子を含む演奏構成が強く打ち出されている。

この作品は、既存のロックのコピーにとどまっていたギタリストたちに強い刺激を与えたとされている。フュージョンやプログレだけでなく、ヘヴィメタルの奏者にまで影響が及んだという点でも、当時のインパクトは大きかったようだ。

メンバーについて

バンドには時期ごとに多くのメンバーが参加している。代表的な名前を挙げると、Jan Hammer、Billy Cobham、Jean-Luc Ponty、Jerry Goodman、Rick Laird、Narada Michael Walden、Ralphe Armstrong、Stu Goldberg、Jonas Hellborg、Danny Gottlieb、Bill Evansらがいる。

ただ、Mahavishnu Orchestraを語る際は、やはりJohn McLaughlinを中心に見ていくのが自然だ。彼の作曲、演奏、バンド運営が、グループの方向性を決めていたからだ。

影響と位置づけ

Mahavishnu Orchestraは、1970年代のフュージョンを代表する存在のひとつとして扱われることが多い。ロックの音圧とジャズの即興性を高い密度で組み合わせた点が、後の多くの演奏家に影響を与えたとされている。

特に、ギターの表現を拡張したバンドとしての存在感が強い。John McLaughlinの演奏は、速弾きや複雑なリズム処理を求めるギタリストたちにとって、ひとつの基準になってきた。さらに、ヴァイオリンを含む編成や、宗教的・思想的背景を含んだバンド名の選び方も、このグループの個性として残っている。

参考サイト

toast