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Maloは、1970年代初頭のラテン・ロック興隆期にサンフランシスコを拠点として活動したバンドだ。もともとはThe Malibus名義で演奏していたが、のちにMaloとして活動するようになった。サンタナやウォーと並んで、当時のラテン・ロックの広がりを示す存在として扱われることが多い。
バンドは1972年に結成された。すでにラテン・パーカッションを取り入れた演奏を行っていたところを、プロデューサーのデヴィッド・ルビンソンに見出された。ルビンソンは、以前にサンタナをコロンビアと契約させた人物としても知られている。Maloはその後、ワーナー・ブラザースとの専属契約を結んだ。
当時のベイエリアでは、コーク・エスコヴェード率いるAztecaも注目されていた。Maloはその流れの中で、ラテン要素を前面に出したロック・バンドとして存在感を強めていった。
Maloの音楽は、ラテンのリズムを軸にしながら、ロック、ジャズ、ブルースの要素を組み合わせている。ホーン・セクションとパーカッションが目立つ編成で、ギターとキーボードも前に出る。サンフランシスコ周辺で起きていたラテン・ロックの流れを、そのままバンド・サウンドに落とし込んだ形だ。
メンバーには、Luis Gasca、Richard Bean、Raul Rekow、Victor Pantoja、Tony Smith、Richard Kermode、Jorge Santana、Pablo Tellez、Roy Murray、Abel Zarate、Richard Spremich、Leo Rosales、Arcelio Garcia、Steve Sherard、William Garcia、Mike Fugate、Ron DeMasi、Gabriel Manzo、Tony Menjivar、David George、Daniel Cervantes、Jay Rossette、Octaviano Cueto Garcia、Carlos Rivera、Joaquin Solorzanoらが名を連ねている。現在の編成では、Arcelio Garciaがリード・ボーカルを務め、Ramiro Amadorがベース、David Georgeがドラム、Gabriel Manzoがリード・ギター、Jay Rossetteが2ndリード・ギター、Daniel Cervantesがキーボード、Frank Baileyがリード・トランペット、Pete Rodriguezがトランペット/トロンボーン、Jack Musgroveがトランペット/フリューゲルホルン、Tony Menjivarがコンガ/ティンバレスを担当している。Arcelio Garciaの息子であるOctavianoも加わっている。
Maloを語るうえで外せないのが、1971年に録音され、1972年2月にリリースされた「Suavecito」だ。この曲はバンド唯一のビルボード・トップ20ヒットで、最高18位を記録し、10週チャートにとどまった。ポップ・ラジオでもよく流れていた曲として記憶している人も多いはずだ。
歌詞のもとになったのは、メンバーのRichard Beanが数学の授業で思いを寄せていた女性への気持ちを綴った詩だという。2016年のインタビューでは、その女性には秘密のまま曲として発表されたことが語られている。作曲にはBeanのほか、Abel Zarate、ベーシストのPablo Tellezも関わっている。
Maloは1972年から翌年にかけて、ワーナー・ブラザースから4枚のアルバムを発表した。短い期間に集中的に作品を出していたことが分かる。メンバー交代を重ねながらもバンドは活動を続け、現在もツアーを行っている。
現在の活動は、初期のラテン・ロックを支えたバンドが、編成を変えながらも継続している例として見ることができる。オリジナル期の楽曲、とくに「Suavecito」は、今もMaloの代表曲として扱われている。
Maloは、サンタナの成功以降に広がったラテン・ロックの文脈の中で語られることが多い。サンフランシスコ・ベイエリアという土地柄も含めて、ラテン音楽、ロック、ジャズ、ブルースが交差する時代の空気を反映したバンドとして整理しやすい。
ギタリストにJorge Santanaがいたことも特徴のひとつだ。カルロス・サンタナの実弟であることから、当時のラテン・ロック・シーンとのつながりも見えやすい。
Maloを初めて聴くなら、まずは「Suavecito」から入る人が多そうだ。そこから、ホーンやパーカッションが前に出る初期アルバムを追うと、バンドがラテン・ロックの初期にどんな役割を担っていたかが見えやすい。公式サイトやWikipediaでも基本情報を確認できるので、活動の流れをたどるには便利だ。