Vinyl Record Reviews
Mandrillは、ラテンの要素を取り入れたアメリカのファンク・グループだ。1968年にブルックリンで結成され、パナマ生まれでベッドフォード=スタイベサント地区で育ったウィルソン3兄弟、つまりリック・ウィルソン、ルー・ウィルソン、カルロス・ウィルソンを中心に活動した。
中心となった3人は、それぞれサックス/パーカッション/ヴォーカル、トランペット、トロンボーンを担当していた。そこにDavid Conley、Claude "Coffee" Cave、Louis Wilson、Ric Wilson、Brian Allsop、Neftali Santiago、Fudgie Kae、Bundie Cenac、Wilfredo "Wolf" Wilson、Juaquin Jessup、Omar Mesa、Charles Padro、Marc Reyらが加わっている。メンバー数が多く、管楽器、パーカッション、ヴォーカルを含む編成で演奏していたことがわかる。
Mandrillの音楽は、Funk / Soulを軸にLatinの要素を組み合わせたものとして紹介されている。スタイル面ではFunk、Soul、Discoが挙げられている。バンド名義のプロフィールでも「American latin-influenced funk group」とされていて、ファンクのリズムにラテン由来のフレーズや打楽器の感覚を重ねたグループとして見てよさそうだ。
1973年に出た3作目のアルバム『Composite Truth』は、Mandrillにとって商業的に最も大きなヒット作になっている。このアルバムからシングルカットされた「Fencewalk」は、バンドを代表する曲として扱われている。
「Fencewalk」は、ビルボードのソウル・シングルズ・チャートで最高19位、Hot 100で52位を記録した。ファンク・グループの曲として、ソウル寄りのチャートとポップ・チャートの両方で結果を残した形だ。
「Fencewalk」は、その後のヒップホップでサンプリング素材として何度も使われている。たとえばIce Cube「Givin' Up the Nappy Dugout」やCypress Hill「The Funky Cypress Hill Shit」で引用されているほか、Public Enemy、DJ Shadow、Big L、Kanye West、Eminem、9th Wonderなど、世代も作風も異なるアーティストに参照されてきた。
こうした使われ方を見ると、Mandrillの演奏がリズムやフレーズ単位で切り出しやすかったことがうかがえる。ファンクのビート、ホーンの動き、ラテン由来のリズム感が、後のサンプリング文化の中で機能してきた。
まずは『Composite Truth』と「Fencewalk」から入るのがわかりやすい。アルバム全体では、ファンク、ソウル、ラテンの要素がどのように組み合わさっているかを追いやすいし、シングルではバンドの持ち味がまとまっている。
参考情報として、Wikipedia、WhoSampled、AllMusicでもMandrillの作品やサンプリングの履歴を確認できる。