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Mary Jane Girlsは、リック・ジェームスが手がけた女性ヴォーカル・グループだ。ファンク・ミュージシャンとして活動していたジェームスが、ツアーのバックコーラスを探していた中で見出したメンバーを母体にしている。グループ名は、ジェームスのヒット曲「Mary Jane」に由来する。
活動の中心には、ジェームスによるソングライティングとプロデュースがあった。グループのイメージやサウンドの方向性も彼が主導していて、80年代前半のモータウン周辺の空気をそのまま反映した存在として見ておきたい。
オリジナル・メンバーはジョジョ・マクダフィ、キャンディ・ゲイント、キム・ウレティッチ、シェリ・ウェルズの4人だ。ステージ上では、それぞれにキャラクターを割り当てた名前が使われていた。ジェームスがメンバーごとの見せ方まで含めて設計していたことがわかる。
1985年にはシェリ・ウェルズが抜け、イヴェット・マリーンが加入した。プロフィール情報では、ジョアン・マクダフィ、リサ・サーナ、タビー・ジョンソンが初期の「Mary Jane Band」としてクレジットされていた時期もある。
1983年のデビュー・アルバム『Mary Jane Girls』は、R&Bチャートで6位を記録した。収録曲では「All Night Long」や「Candy Man」がR&Bチャートでヒットしている。ここでのポイントは、ポップ寄りの広いヒットというより、R&Bやダンスの文脈で支持を集めたことだ。
サウンド面では、ファンクを土台にしながらディスコ、エレクトロニックの要素を取り込んでいる。打ち込みやシンセを前に出しつつ、歌のフレーズはソウルの流れを保っているので、80年代前半のクラブ寄りR&Bを探るときに外せないグループだ。
1985年の2作目『Only Four You』は、全米アルバム・チャート18位まで上がり、ゴールド認定も受けている。ここからの代表曲が「In My House」だ。全米Hot 100で7位、ダンス・クラブ・プレイ・チャートで1位を記録していて、グループ最大のヒットとして扱われることが多い。
同作からは「Wild and Crazy Love」や「Break It Up」もシングルとして出ている。さらに映画『A Fine Mess』のサウンドトラックには、フォー・シーズンズの「Walk Like a Man」のカヴァーを提供した。
Mary Jane Girlsの音楽は、ファンクのリズム感をベースに、ディスコ的な推進力とシンセ中心の80年代サウンドを重ねた作りになっている。リック・ジェームスの色が強いので、ベースラインやビートの運びには彼の作品群とのつながりが見える。
ヴォーカル面では、複数の声をまとめて押し出す形が基本だ。ソロの歌唱力を前面に出すというより、コーラスの重なりや掛け合いで曲を進めていく場面が多い。ダンスフロア向けの設計と相性がいい。
1986年ごろには3作目『Sweet Conversations』が制作されていたが、当時は発売されなかった。リック・ジェームスとモータウンの契約上のトラブルもあり、グループは1987年ごろに解散した。その後、このアルバムは2014年に発表されている。
2009年にはマキシとシェリが再結成し、MJG Starring Maxi and Cheri of the Original Mary Jane Girlsとしてツアーを始めた。2010年にはオリジナル・メンバーのキャンディ・ゲイントが別メンバーで自分の版のMary Jane Girlsを再編している。
Mary Jane Girlsは、80年代のR&B、ファンク、ディスコをつなぐグループとして整理しやすい。リック・ジェームスの制作力と、女性ヴォーカル・グループとしての見せ方が、アルバム単位でもシングル単位でもはっきり出ている。
大きなヒットは多くないが、「In My House」の存在感は強い。デビュー作から2作目までの流れを追うと、当時のモータウン系ダンスR&Bの作り方がかなり見えてくる。