MC5

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MC5とはどんなバンドか

MC5は、1964年にアメリカ・ミシガン州リンカーン・パークで結成されたロック・バンドだ。デトロイト周辺のガレージロック、ヘヴィなサイケデリック・ロック、初期パンクの流れをつなぐ存在として知られている。バンド名のMC5は Motor City 5 の略で、デトロイトの自動車産業の街という背景をそのまま背負っている。

メンバーには Fred Smith、Handsome Dick Manitoba、Michael Davis、Dennis Tomich、Wayne Kambes、Robert Derminer、Steev Moorhouse、Rick Craig らの名前が挙がる。活動の中心期には、ボーカル、ギター2本、ベース、ドラムという編成で動いていた。

結成からデビューまで

結成当初のMC5は、ミシガン州のローカル・シーンで活動していた。1968年にはアナーバーへ拠点を移し、政治的な色合いを強めていく。ホワイト・パンサー党の指導者ジョン・シンクレアをマネージャーに迎え、「完全な解放」を掲げる10項目綱領に影響を受けた姿勢を音楽に持ち込んだことが、バンドの特徴として語られている。

この時期のMC5は、単なるハードなロック・バンドというより、政治的な主張をそのままステージに持ち込む集団として見られていた。1968年のシカゴ民主党大会での演奏も、その文脈で重要な出来事になっている。

『Kick Out the Jams』をめぐる騒動

MC5の名前を広く知らしめたのが、1969年のデビュー・ライブ・アルバム『Kick Out the Jams』だ。冒頭曲の「Kick out the jams, motherfuckers!」というフレーズは強い物議を呼んだ。ジャケットやライナーノーツを含め、作品全体に政治的で挑発的な空気がある。

ウェブ検索で確認できる情報によると、デトロイトの百貨店チェーン、ハドソンズはこのアルバムの下品な歌詞を理由に取り扱いを拒否した。MC5側は『Fifth Estate』誌にエレクトラ・レコードのロゴを大きく載せた全面広告を出し、「Fuck Hudson's!」とだけ記した。これを受けてハドソンズはエレクトラ製品の店頭撤去に踏み切り、最終的にレーベルとの関係も悪化した。

ただ、こうした騒動がそのまま失速につながったわけでもない。『Kick Out the Jams』は10万枚以上を売り上げ、ビルボードのアルバム・チャートで30位を記録し、23週にわたってチャートインしている。過激な言動と商業的な数字が同時に残っているのが、この作品の面白いところだ。

音楽的な特徴

MC5の音は、ガレージロックを土台に、音圧の高いギター、荒い演奏、長尺の演奏展開、サイケデリックな要素が重なったものとして整理できる。後のパンクに近い直線的な勢いもあるが、単純に速いだけではなく、当時のロックとしてはかなりラフで、ライブ感が前面に出ている。

スタジオ作品だけでなく、ライブでの熱量が重要なバンドでもある。『Kick Out the Jams』がライブ盤として評価されているのも、その場の空気や演奏の荒さが作品の核になっているからだ。

『Back in the USA』と『High Time』

デビュー作の後、MC5はアトランティック・レコードと契約し、2作目『Back in the USA』を発表した。3作目で最後のアルバムとなる『High Time』は1971年にリリースされている。この時点では Fred Smith がバンドを率いていた。

3枚のアルバムを通して見ると、MC5は一貫してアメリカのロックの荒さと政治性を結びつけていた。特に『Kick Out the Jams』の衝撃は大きく、その後の作品にも「反体制のバンド」というイメージが強く残っている。

解散とその後の動き

バンドは1972年末までに解散した。その後、Kramer、Davies、Thompson は2003年から2012年の間に DKT/MC5 として再結集している。なお、Tyner と Smith はそれ以前に亡くなっているため、その枠には別メンバーが入っていた。

オリジナルの活動期間は長くないが、残した作品と騒動の記録がはっきりしているため、MC5は今もロック史の中で頻繁に参照されるバンドだ。

影響と位置づけ

MC5は、ガレージロック、プロトパンク、初期パンクの流れを語るときに外せない存在として扱われている。演奏の荒さ、政治的な態度、メジャー・レーベルとの衝突まで含めて、後のバンドに与えた影響は大きい。

とくに、音楽そのものだけでなく、言葉遣い、広告、ステージ上の態度まで含めて「ロック・バンドがどこまでやるか」を押し広げた点が目立つ。MC5は、作品と行動が切り離しにくいバンドとして記憶されている。

参考にしやすいポイント

  • 1964年、ミシガン州リンカーン・パークで結成
  • 1968年にアナーバーへ移転
  • 政治色の強い活動で知られる
  • 1969年の『Kick Out the Jams』が代表作
  • 『Back in the USA』『High Time』を残して1972年に解散
  • ガレージロック、サイケデリック・ロック、初期パンクの接点にいるバンド

MC5を追うと、60年代末から70年代初頭のアメリカン・ロックが、音だけでなく態度や流通まで含めて揺れていたことが見えてくる。作品数は多くないが、残した記録はかなりはっきりしているバンドだ。

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