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Midnight Oil(ミッドナイト・オイル)は、1972年にオーストラリア・シドニー北部の海岸沿いで結成されたロック・バンドだ。ジャンルはロックを軸に、ニュー・ウェイヴやオルタナティブ・ロックの要素を取り入れている。
メンバーは、ピーター・ギャレット(ヴォーカル)、ジム・モジニー(ギター、キーボード)、マーティン・ロッツィー(ギター)、ロブ・ハースト(ドラム)を中心に長く活動してきた。ベースはアンドリュー・“ベア”・ジェイムズ、ピーター・ギフォード、ボーンズ・ヒルマンへと交代している。
バンドは1970年代から2000年代初頭まで、編成の変化が少ないまま活動を続けた。初期からピーター・ギャレットがフロントに立ち、ジム・モジニー、マーティン・ロッツィー、ロブ・ハーストが演奏面を支えた。
1980年代後半には、1987年の8作目『Diesel and Dust』が大きな成功を収めた。この作品は世界で200万枚を超えるセールスを記録している。2002年にいったん解散したが、2016年以降は断続的に再結成して活動している。
なお、ベーシストのボーンズ・ヒルマンは2020年11月にがんのため亡くなっている。
Midnight Oilの大きな特徴は、環境問題、ウラン採掘、アボリジニの権利といった社会問題を楽曲の主題にしてきた点だ。結成当初からそうしたテーマを扱い続けており、バンドの活動とメッセージがはっきり結びついている。
『Diesel and Dust』には、アボリジニ・コミュニティが直面した土地権の問題を扱う曲が多く収録されている。「Beds Are Burning」は、先住民ピントゥピが土地を追われた歴史への抗議として書かれた楽曲として知られている。
2000年のシドニー五輪閉会式では、メンバーが「sorry(謝罪)」の文字をプリントした黒い作業服姿で演奏し、その場面が広く注目された。バンドの社会的な立ち位置を示す出来事としてよく取り上げられている。
音楽面では、R.E.M.にも通じるオルタナティブ・ロック系のバンド・サウンドに、演奏の精度を感じさせるアレンジを組み合わせている。ギター、ベース、ドラムの役割がはっきりしていて、曲の進行も直線的だ。
ニュー・ウェイヴ由来の感触を持ちながら、ロック・バンドとしての骨格は明確で、ライブでもそのまま強みが出るタイプのグループだ。ピーター・ギャレットの声と存在感も、バンドの印象を決める要素になっている。
ピーター・ギャレットは音楽活動と並行して政治活動にも進んだ。核軍縮党から上院選に立候補したのをきっかけに本格的に政治の場へ入り、オーストラリア自然保護基金の会長を2度務めている。2007年には環境・文化遺産・芸術大臣に就任した。
こうした経歴もあって、Midnight Oilは単に社会的なテーマを歌うだけでなく、メンバー自身の活動がその内容とつながっているバンドとして見られている。