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Mississippi John Hurtは、アメリカのカントリー・ブルースを代表するシンガー/ギタリストのひとりだ。1893年3月8日にミシシッピ州テオックで生まれたとされるが、正確な誕生日には異説がある。1966年11月2日、ミシシッピ州グレナダで心臓発作により亡くなった。
Hurtは1928年にオーケー・レコードのスカウトに見出され、同年2月にメンフィス、12月にニューヨークで録音セッションを行った。そこでは計13曲が録音され、うち7曲が発売された。ただし、当時は大きな注目を集めなかったようだ。
その後はミシシッピ州アヴァロンで農業や牛の世話をしながら暮らし、音楽活動からは離れていた。
転機になったのは1963年だ。音楽学者ディック・スポッツウッドが、1928年録音の「Avalon Blues」の歌詞に出てくる地名に注目し、地図からアヴァロンを探し当てた。ちょうどその方面へ向かう予定だったトム・ホスキンズに消息を尋ねてもらったところ、Hurtがその地で牛を追いながら暮らしていることがわかり、ワシントンD.C.へ招かれることになった。
1964年には米議会図書館による録音も行われ、この再発見は当時進んでいたアメリカのフォーク・リバイバルの流れの中で、同時代のブルースマンたちの再評価にもつながった。
再発見後の1963年から1965年にかけては、ニューポート・フォーク・フェスティバルに出演し、大学のコーヒーハウスなど各地でライブを行った。複数のアルバムも制作している。
Hurtの特徴としてよく挙げられるのは、柔らかな歌声とフィンガーピッキングによるギターだ。Country BluesやDelta Bluesの枠組みの中で、細かな指さばきと歌の流れがはっきりわかる演奏を残している。
再発見後の録音やライブ活動は、フォーク/ブルースのリスナーや演奏家に広く届いた。特に、ギターの弾き方や歌の運び方は、その後のフォーク/ブルース・ギタリストたちに影響を与えている。
1928年の録音から長い空白を経て1960年代に再び表舞台へ出た経歴も、Hurtの存在を語るうえで重要だ。初期録音、田舎での生活、そして再発見後の活動がつながって、彼の名前はブルース史の中で繰り返し参照されている。