Vinyl Record Reviews
Mötley Crüe(モトリー・クルー)は、1981年にロサンゼルスで結成されたロック・バンドだ。ニッキー・シックス(ベース)とトミー・リー(ドラム)が中心となって動き出し、そこにミック・マーズ(ギター)とヴィンス・ニール(ヴォーカル)が加わって、活動を本格化させた。サンセット・ストリップのクラブ・シーンを拠点にしていたことでも知られている。
バンド名は、「見た目がガラの悪い寄せ集め」という意味合いの言葉から来ているとされ、スペルにウムラウトを加えた形で使われている。
ジャンルとしてはハードロック、ヘヴィメタル、さらにヘアメタルやグラムメタルの文脈で語られることが多い。派手なメイクや衣装、ステージ上での過激な演出が特徴で、音だけでなく見た目も含めて80年代のLAメタル・シーンを象徴する存在だった。
デビュー作『Too Fast for Love』(1981年)は、自主レーベルから短期間・低予算で制作された作品として知られる。その後エレクトラと契約し、1983年の『Shout at the Devil』でシーンの中心的なバンドとして注目を集めた。1989年の『Dr. Feelgood』は全米チャート1位を記録していて、代表作として挙げられることが多い。
Mötley Crüeは、メンバー交代や再結成の歴史でも知られている。基本のラインナップはニッキー・シックス、トミー・リー、ミック・マーズ、ヴィンス・ニールだが、1992年にヴィンス・ニールが一時脱退し、代わってジョン・コラビが加入した時期がある。
その後、1997年にヴィンス・ニールが復帰。1999年にはトミー・リーがソロ活動のために離れ、ランディ・カスティロが後任となった。2004年にはオリジナル・ラインナップでの復帰が発表されている。
バンドの歴史には、音楽活動以外の話題も多い。1984年12月8日には、ヴィンス・ニールが飲酒運転の末に交通事故を起こし、同乗していたハノイ・ロックスのドラマー、ラズル(ニコラス・ディングリー)が死亡した。この件でニールは禁錮刑と賠償を命じられている。
こうした出来事も含めて、Mötley Crüeの歩みは自伝『The Dirt』にまとめられ、2019年にはNetflixで映画化された。バンドの歴史をたどる上で、この作品を入口にする人も多い。
2014年に引退を発表し、2015年12月31日のロサンゼルス・ステイプルズ・センターで最後の公演を行った。その後、2018年には『The Dirt』の映画化に合わせて新曲制作のために再び動き出したことが伝えられている。ツアーはしない契約を結んでいるとされるが、新しい音源を出す流れは続いている。
Mötley Crüeを知るうえでは、まず『Too Fast for Love』『Shout at the Devil』『Dr. Feelgood』の3枚を押さえると流れが見えやすい。初期の粗さ、シーンの中心に入っていく時期、そしてチャートの頂点に立つ時期がそれぞれ分かれている。
公式サイトやSNS、YouTubeの公式チャンネルもあるので、現在の動きや過去の映像を追いやすい。80年代のハードロック/ヘヴィメタルを語るときに、Mötley Crüeが外せない理由は、その音と見た目、そしてバンド自体の歴史にまとまっている。