Vinyl Record Reviews
My Bloody Valentineは、アイルランド・イングランドのロック・バンド。1983年にダブリンでケヴィン・シールズとコルム・オシオシグが結成し、メンバー交代を重ねながら活動を続けてきた。初期はデヴィッド・コンウェイをボーカルに迎えていたが、1987年以降はビリンダ・ブッチャー、デブ・グーグを加えた編成が定着した。1988年にはクリエイション・レコーズと契約している。
バンドは1985年から1993年まで活動し、その後しばらく表立った動きが止まった。2007年には再結成して国際ツアーを行い、2013年には21年ぶりとなるアルバム『m b v』を発表した。リマスター音源のリリースも継続していて、新作についてはたびたび予告が出されている。
My Bloody Valentineの名前と一緒に語られるのが、歪んだギター、ピッチベンド、リバースリバーブを使った音作りだ。こうした手法を前面に出したサウンドは、オルタナティヴ・ロックの中でもシューゲイザーと呼ばれる流れを切り開くものとして知られている。
特にケヴィン・シールズの「グライド・ギター」と呼ばれる奏法は、このバンドの特徴としてよく挙げられる。トレモロを効かせながら音程を揺らすようなギター処理が、楽曲の輪郭を作っている。
1991年のアルバム『Loveless』は、約2年をかけて制作され、レーベルのクリエイション・レコーズに大きな負担をかけたとも伝えられている。この作品は批評面で高く評価され、My Bloody Valentineを代表する1枚として扱われている。
このアルバムの影響は、後のスマッシング・パンプキンズやホールにも及び、さらに2000年代以降のシューゲイザー・リバイバル勢にもつながっていく。ジャンルの基準点として参照されることが多い作品だ。
長い活動休止のあとに出た2013年の『m b v』では、『Loveless』で見られたシールズのギター処理を引き継ぎつつ、よりミニマルなポストロック寄りの作りも見せている。再始動後の作品として注目を集め、こちらも高い評価を受けた。
このバンドを知るなら、まずは『Loveless』から入る人が多いはずだ。そこから『m b v』を続けて聴くと、活動休止を挟んだあとの変化も追いやすい。初期の編成やデモ、リマスター音源までたどると、バンドの音作りの変遷も見えやすい。
公式サイトや各種SNS、配信ページも動いているので、最新の再発情報やアナウンスはそちらで確認しやすい。長く止まっていた時期がありつつ、今も名前が出るたびに注目されるバンドだ。