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Napalm Deathは、1982年にイギリス・バーミンガムでニック・ブレンによって結成されたバンドだ。ジャンルはRockに分類されているが、実際にはHardcore、Thrash、Grindcoreを軸にしたエクストリーム・ミュージックの代表格として知られている。Extreme Noise Terror、Doom、Sore Throatと並んで、1980年代半ばから後半のUKハードコア/スラッシュ・パンク・シーンを引っ張った存在でもある。
初期のNapalm Deathは、何度もメンバー交代を重ねながら形を変えてきた。デビュー・アルバム『Scum』には、Justin BroadrickとNik Bullenが参加している。その後、安定した編成としてはLee Dorrian(Vo)、Bill Steer(Gt)、Mick Harris(Dr)、Shane Embury(Ba)が中心になった。
1989年末にはLee Dorrianが脱退し、Cathedralを結成していく。Bill SteerもCarcassに集中するために離脱した。その後任として、BenedictionのBarney Greenwayがヴォーカルに入り、TerrorizerのJesse Pintadoがギターで加入する。さらにMitch Harrisがセカンド・ギターとして加わった。
1991年にはMick Harrisが脱退し、Danny Herreraがドラムを担当するようになる。Jesse Pintadoは2004年に離脱している。現在の編成としては、Barney Greenway、Mitch Harris、Shane Embury、John Cooke、Danny Herreraが挙げられる。
Napalm Deathの特徴は、極端に速く、短い曲展開にある。ここにデス・メタル的な要素やハードコア・パンクの攻撃性が加わり、後に「グラインドコア」と呼ばれるスタイルの土台を作った。単に速いだけでなく、曲の長さ、リフの切り替え、ヴォーカルの出し方まで含めて、当時のパンクやメタルの枠を押し広げる作りになっている。
初期の作品ではハードコア・パンクの勢いが強く、その後はメタル側の要素もよりはっきりしていく。メンバーの変遷に合わせて音の印象は少しずつ変わるが、短い曲を連続して押し出す構成や、密度の高い演奏は一貫している。
Napalm Deathを語るうえで、『Scum』は外せない。1987年に出たこのデビュー・アルバムには、「You Suffer」が収録されている。この曲は、1986年3月のデモ・セッション中にNik BullenとJustin Broadrickが書いたもので、演奏時間は1.316秒しかない。ギネス・ワールド・レコーズでは「史上最も短い楽曲」として認定されている。
Justin Broadrickは、この曲を「馬鹿げているが愉快なジョークのようなもの」と振り返っている。Napalm Deathの極端な短さや過激さは、単なる話題づくりではなく、当時のシーンの中で実際に音楽の形式そのものを押し縮めていった例として見られている。
Napalm Deathは、グラインドコアの先駆者として広く認識されている。80年代のUKハードコア/スラッシュ・パンクの流れを受けつつ、さらに短く、速く、密度の高い表現へ進めたことで、その後のエクストリーム・ミュージックに大きな影響を残した。
また、歴代メンバーの多くがその後も別の重要なバンドやプロジェクトで活動している点も特徴だ。Lee DorrianはCathedral、Bill SteerはCarcass、Justin BroadrickはGodflesh、Mick HarrisはScornやLullなど、それぞれ別の場面で重要な役割を果たしている。Napalm Deathは、メンバー個々の動きも含めて、後のシーンにつながる起点になっている。
Napalm Deathは、過激なバンドという一言では収まらない。結成当初からのUKハードコア/スラッシュ・パンクの文脈、グラインドコアの成立、そして歴代メンバーのその後の活動まで含めると、エクストリーム・ミュージック史の中でかなり大きな位置を占めている。今も公式サイトや各種SNS、Bandcamp、YouTubeなどで活動情報を追うことができる。
公式サイト: https://www.napalmdeath.org/