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Ned Doheny(ネッド・ドヒニー)は、1948年3月26日にアメリカ・カリフォルニア州ビバリーヒルズで生まれたシンガー・ソングライター、ギタリストだ。ロック、ポップ、ファンク/ソウルを土台にしながら、ソフトロック、ソウル、バラード、AORの要素を組み合わせた作品で知られている。
ネッド・ドヒニーは、デヴィッド・ゲフィンが設立したアサイラム・レーベルの初期契約アーティストの一人としてデビューした。1973年に同レーベルから1作目のアルバム『Ned Doheny』を発表している。
その後はCBS(コロンビア)に移り、1976年に2作目『Hard Candy』、1979年に『Prone』をリリースした。『Hard Candy』では、スタックスで知られるスティーヴ・クロッパーがプロデュースを担当し、「Get It Up for Love」を収録している。作品にはリンダ・ロンシュタットやJ.D.サウザーも参加している。
1988年には日本のみで『Life After Romance』を発表し、1993年に『Between Two Worlds』、2010年に『The Darkness Beyond the Fire』、2014年に『Separate Oceans』を出している。
ネッド・ドヒニーの音楽は、ウェストコースト系のポップ/ロックを軸にしている。そこにファンク、ジャズ、ソウルの要素が入っていて、AORの文脈でも語られることが多い。ギタリストとしての活動もあり、演奏とソングライティングの両方で作品を支えている。
初期作から『Prone』までの流れを見ると、ソフトロック寄りの質感と、リズムをしっかり置いた曲作りが目立つ。派手に押し出すタイプというより、曲の構成やコード感で聴かせるタイプのアーティストだ。
ネッド・ドヒニーは、自身のアルバムだけでなく、他のアーティストに提供した楽曲でも知られている。「What Cha' Gonna Do for Me」はチャカ・カーンがヒットさせた曲だし、「I've Got Your Number」「Get It Up for Love」「To Prove My Love」なども各国でチャート入りしている。1978年にはエルキー・ブルックスが「Learn to Love」を録音している。
こうした経歴を見ると、シンガーとしてだけでなく、曲を書く人としても評価されてきたことがわかる。自作曲が他の歌手に取り上げられている点も、彼の楽曲が広く使われていたことを示している。
活動初期から、ジャクソン・ブラウン、ドン・ヘンリー、グレン・フライ、リンダ・ロンシュタット、J.D.サウザーら西海岸の音楽家たちとの交流があった。こうした環境の中で、当時のロサンゼルス周辺のシーンと近い位置で音楽を作っていたことがうかがえる。
また、デイヴ・メイスンが1971年に「On and On」を録音している点も、作家としての楽曲の流通を示す記録のひとつだ。
近年は再評価が進んでいて、2014年からはロンドンのBe With Recordsが旧作のヴァイナル再発を始めている。これによって、当時のオリジナル作品が新しい世代のリスナーにも届くようになった。
1970年代のアメリカ西海岸のポップ/ロックやAORを追うとき、ネッド・ドヒニーは外せない名前のひとりだ。アルバム単位でも、楽曲提供の面でも、あとから掘り直したくなる要素が多いアーティストだ。