Vinyl Record Reviews
Obskuriaは、2006年に始動した国際的なプロジェクトだ。中心になったのは、60年代米国のバンド、ドラゴンウィックのギタリストとして知られるトム・ブレーム、ドイツのキーボード奏者ウィニー・リンバッハ=サトール(Karmic Society / Treacle People)、そしてペルー出身のラ・イラ・デ・ディオスの3人である。作品は、ドイツのレーベルWorld In Soundから発表されている。
2007年12月にはデビュー・アルバム『Discovery of Obskuria』をリリースしている。総演奏時間はおよそ80分に及び、長尺の構成でサイケデリック・ロックとスペース・ロックを展開した。続く2011年には『Burning Sea of Green』を発表し、見開きジャケット仕様のCDとアナログ盤で出している。その後も『Krautschock』をリリースし、ジャーマン・プログレやサイケデリアの流れを意識した活動を続けている。
Obskuriaの音は、60〜70年代のクラウトロックやサイケデリック・ロックの要素を土台にしている。特に『Discovery of Obskuria』では、ピンク・フロイドの『Meddle』『Ummagumma』、アモン・デュール II、アシュラ・テンペル、ホークウィンドといった名前が挙がっており、そこからの影響がはっきりしている。曲作りでは、循環するリフと、聴き手の感覚を揺らすようなメロディが目立つ。演奏面では、ヘヴィなギターとキーボードの組み合わせが軸になっている。
Obskuriaは、60年代末の若者文化やウッドストックの精神を受け継ぐレーベルWorld In Soundから作品を出している点でも、当時のロックの文脈とつながっている。音の作り方も、単に昔のサウンドをなぞるというより、60〜70年代のサイケデリック・ロックやクラウトロックの要素を拾い直して組み立てている印象がある。ヘヴィさのある演奏と、宇宙的なイメージを持つ展開が同居しているので、そのあたりに興味がある人はチェックしやすい。
まずは『Discovery of Obskuria』のような長尺作から入ると、バンドの方向性がつかみやすい。曲の展開を追いながら、ギターの反復、キーボードのレイヤー、テンポの変化を聴くと、Obskuriaがどの時代のロックを参照しているかが見えやすい。サイケデリック・ロックやスペース・ロックの流れを、そのまま現代に持ち込んだプロジェクトとして追うと面白い。