Vinyl Record Reviews
Ornette Colemanは、1930年3月9日にアメリカ・テキサス州フォートワースで生まれたジャズ・サクソフォン奏者、ヴァイオリン奏者、トランペット奏者、作曲家だ。2015年6月11日にニューヨークで亡くなっている。
ジャズの中でも、とくにフリー・ジャズの流れを語るときに名前が挙がる人物で、彼のアルバム『Free Jazz: A Collective Improvisation』は、そのままフリー・ジャズという運動の名前にもつながっている。演奏のあり方そのものを変えた音楽家として知られている。
1950年代から活動を重ね、1959年11月にはニューヨークのジャズクラブFive Spotで2週間のレジデンシーを行った。この公演は「Battle Of The Five Spot」と呼ばれるほど強い反応を呼んだ。
当時のジャズでは調性やコード進行が大きな枠組みになっていたが、Colemanはそうした進行に強く縛られない演奏を前面に出した。そのため、受け止め方はかなり分かれた。Miles Davisは厳しい評価をしていた一方で、Leonard BernsteinやJohn Coltraneは強く支持していたとされる。
Colemanの音楽で重要なのは、和声・旋律・リズムを上下関係なく扱う「ハーモロディクス」という考え方だ。ひとつの要素が他を支配するのではなく、複数の要素が同じ位置で動く、という発想で演奏や作曲を組み立てていた。
このアプローチは、既存のジャズの枠組みから離れた演奏につながっている。コード進行を追う感覚よりも、音同士の動きや即興の流れが前に出る。フリー・ジャズの中心人物として扱われるのは、こうした方法が大きかった。
1954年に金属製のサクソフォンを買う余裕がなかったため、安価なプラスチック製アルトサックスを使い始めたという話も残っている。この選択が、独特の音色につながったとされる。
楽器の種類や材質がそのまま演奏の個性に結びついている点も、Colemanの話としてよく取り上げられる。
2007年には、2005年にドイツ・ルートヴィヒスハーフェンで録音されたライブ作品『Sound Grammar』でピューリッツァー賞音楽部門を受賞した。ジャズ作品としては史上初の受賞だった。
同じ年にはグラミー賞の生涯功労賞も授与されている。長く議論の的になってきた音楽が、後年になって大きく評価された形になっている。
Colemanは1954年から1964年までJayne Cortezと結婚していた。息子のDenardo Colemanはジャズ・ドラマーで、10歳のときから両親の作品に参加している。
また、兄弟としてWalter Norrisがいる。家族との関わりも、活動の中でひとつの要素になっていた。
Ornette Colemanは、ジャズの演奏法や考え方に大きな変化を持ち込んだ音楽家だ。活動の中で賛否を集めながらも、フリー・ジャズの中心人物として語られ続けている。