Vinyl Record Reviews
Pete and Royceは、ギリシャ出身のシンフォニック・プログ系バンドだ。1979年の夏に、Panagiotis “Pete” Tsiros(ギター、ボーカル)とIlias Porfiris(ベース)を中心に結成された。メンバーにはΒασίλης Γκίνος、Christos Tsanakas、Ilias Porfiris、Panagiotis "Pete" Tsirosが名を連ねている。
活動初期から、英国のプログレッシブ・ロックを土台にしたサウンドで知られた。中期ピンク・フロイドに通じるプログ/サイケの感触や、メロトロンを使った音作りが特徴として挙げられている。
最初のアルバム『Suffering From Tomorrow』は1980年に自主制作で発表された。ギリシャでは初期のプライベート・プレス作品のひとつに数えられていて、当時の状況を考えるとかなり難しいリリースだったようだ。プレス枚数は300枚ほどで、その大半が廃棄されたとされ、現在でも希少盤として扱われている。
この作品は、後年になってギリシャのプログレッシブ・ロックを代表する作品のひとつとして再評価されている。限定盤CDやLPで再発が繰り返されているのも、その評価の高さを示す流れとして見てよさそうだ。
2作目『Days Of Destruction』は1981年にリリースされた。バンドは1982年に解散している。その後、Tsirosは1984年にRoyceとのLPを発表しているが、そちらはファンク/ディスコ寄りのアプローチだった。
Pete and Royceの音楽は、シンプルなオリエンタル系の旋律やビザンティン音楽の要素を取り入れている点が特徴だ。そうした要素が、プログレッシブ・ロックの構成や演奏と組み合わされている。
歌詞面では宗教的なテーマが目立つ。ギリシャのロック、とくに当時の文脈では珍しい要素として紹介されている。
ウェブ上の紹介では、長時間に及ぶライブや妥協のない姿勢でもアンダーグラウンド・シーンで知られていたとされる。サウンド面では、英国プログレに深く根ざしつつ、メロトロンを多用したサウンドスケープを持つバンドとして語られている。
中心人物のPanagiotis “Pete” Tsirosは画家でもあり、バンドの表現にもその個性が反映されていたようだ。ギリシャのプログレ史の中では、作品の入手難度とあわせて、存在感のある名前として語られている。
現在はBandcampでも音源が案内されているので、まずはそこから触れてみるのが分かりやすい。