Vinyl Record Reviews
Pink Projectは、イタリアのエレクトロニック/イタロ・ディスコ系ユニットだ。メンバーはステファノ・プルガ、ルチアーノ・ニンザッティ、ポール・マナーズの3人で、1980年代初頭に活動を始めた。
中心になったのは、イタリアのプロデューサーであるルチアーノ・ニンザッティとステファノ・プルガだ。2人は以前からKanoやDharma (3)など、ほかのイタロ・ディスコ系プロジェクトにも関わっていた。そこに、イギリス出身でイタリアに帰化したポール・マナーズが加わっている。マナーズは、カルト的人気を持つイタリアのバンド、I Cugini Di Campagnaの元ヴォーカル/ギタリストでもある。
バンド名の「Pink」は、彼らがカバーしたピンク・フロイドに由来する。Pink Projectは、既存曲を組み合わせて新しい曲として作り直す手法を軸にしていて、その発想ともつながっている。
Pink Projectの特徴は、曲調やスタイルが近い楽曲同士を混ぜ合わせるマッシュアップ的な手法にある。単純に引用するのではなく、複数の曲を再構成して1曲としてまとめる作り方をしていた。
ウェブ上の情報でも、彼らは「Disco Project」で、ピンク・フロイドの「Another Brick in the Wall (Part 2)」と、アラン・パーソンズ・プロジェクトの「Mammagamma」や「Sirius」を組み合わせたとされている。テンポやキーが近い楽曲を選び、それをつないでいく形だ。
1982年の「Disco Project」は、Pink Projectを語るうえで外せない曲だ。後年になって、音楽史の初期にあたるマッシュアップ作品のひとつとして見直されている。発売当時もヨーロッパの一部地域でヒットしていて、スペインで6位、スイスで2位を記録した。
この曲は、当時ヒットしていたピンク・フロイドとアラン・パーソンズ・プロジェクトの要素をつなげた作品として知られている。イタロ・ディスコの文脈の中で、既存曲の再編集を前面に出した例として扱われることが多い。
Pink Projectは音だけでなく、1982年のテレビ出演でも注目された。スペインの懺悔者を思わせるカピロテ姿で演奏する演出が使われていて、その映像はかなり独特だ。このパフォーマンスは、後にセバスチャン・テリエの「Cochon Ville」のミュージックビデオに影響を与えたとされている。
Pink Projectは、イタロ・ディスコの中でも、カバーと再構成を前面に出したユニットとして記憶されている。オリジナル楽曲を並べるのではなく、既存の楽曲を素材にして新しい形へ組み直すやり方が、彼らの核になっている。
そのため、Pink Projectは単なるディスコ・ユニットというより、初期のマッシュアップ的発想を実践したグループとして見られることが多い。1980年代のイタリアのダンス・ミュージック史をたどるときに、名前が挙がる存在だ。