Pink Project - Domino (1982)
Pink Project 1982

Pink Project - Domino (1982)

Electronic Italo-Disco

Pink Project『Domino』(1982)について

Pink Projectの『Domino』は、1982年にイタリアのBaby Recordsから出た、イタロ・ディスコ文脈の企画色が強いアルバムだ。アーティスト名からして印象に残るが、内容もかなり特徴的で、オリジナル曲を前面に押し出すというより、当時のヒット曲や有名フレーズを組み替えながら新しい流れを作る、メドレー中心の構成になっている。Pink Project自体が、Luciano Ninzatti、Stefano Pulga、Paul Mannersによるプロジェクトで、イタリアのディスコ制作の現場から生まれたユニットという位置づけになる。

このグループの核にあるのは、楽曲をつなぎ合わせて再構成する発想だ。単なるカバー集ではなく、似た質感やテンポの曲を連続させ、ひとつの作品としてまとめる作り方で知られている。そうした手法は、後年のマッシュアップ的な聴き方にもつながる要素を持っている。Pink Projectはその中でも、1982年の「Disco Project」で広く名前を知られるようになった。Pink FloydやAlan Parsons Projectの要素を組み合わせたこの曲は、当時のディスコ/ダンス市場の感覚をよく示す代表例として扱われている。

『Domino』の収録内容

『Domino』は全体として、メドレーを軸にした作品だ。収録曲のクレジットを見ると、A面からD面まで、さまざまな楽曲をつないだ構成になっている。

  • A1: Da Da Da I Don't Love You, You Don't Love Me Aha Aha Aha / Der Kommissar (Rap' That) / Meeting
  • A2: Mammagamma / Sirius / Another Brick In The Wall Part 3
  • B1: Hyper Gamma Spaces / Oxygene Part 4
  • B2: State Of Independence / Voices Inside My Head
  • C: Smoke On The Water / Love Like A Man
  • D2: Connecting Flight / Magic Fly

こうして並べると、ロック、プログレッシブ寄りの要素、電子音楽的なフレーズ、当時のヒット曲が同じ盤の中で接続されているのがわかる。特に「Another Brick In The Wall Part 3」や、Alan Parsons Projectの「Mammagamma」「Sirius」を含むA2は、このユニットの性格をよく表している。Pink Projectがただのダンス・ユニットではなく、既存曲のフレーズを編集し直して新しい推進力を作る方向で動いていたことが見えやすい。

代表曲「Disco Project」との関係

Pink Projectを語るうえで外せないのが「Disco Project」だ。これは『Domino』の中でも特に知られる曲として扱われ、アルバムの存在感を支える中心的なナンバーになっている。制作背景としては、1982年初頭に、当時ヒットしていたPink Floyd「Another Brick in the Wall (Part II)」やAlan Parsons Projectの「Mammagamma」「Sirius」をまとめたメドレーを作る依頼があった、という説明が確認できる。つまり、この作品群は最初から“楽曲の再構成”を前提にした企画として動いていたことになる。

この手の作り方は、イタリアの80年代ディスコ制作の中でもかなり目立つものだ。似た時期のイタロ・ディスコには、シンセサイザーを強く押し出した作品や、クラブ向けに反復を重視した曲が多いが、Pink Projectはそこに「既知のメロディをどうつなぐか」という編集的な発想を持ち込んでいる。結果として、ダンスフロア向けでありながら、元ネタを知っている人には別の聴き方ができる盤になっている。

リリース時の位置づけ

『Domino』は1982年のイタリア盤として出ており、Baby Recordsのカタログに置かれた作品だ。Baby Recordsは1974年にFreddy Naggiarによって設立されたイタリアのレーベルで、イタリアン・ポップやダンス系の作品を多く出していたことで知られる。Pink Projectのような企画型のディスコ作品がそこでリリースされたのは、当時の市場感覚とよく合っている。

同時代の文脈で見ると、Pink ProjectはKanoやDharmaといったイタリアのダンス制作陣と近い空気を持ちながら、より明確に“メドレー/引用”の方向へ振れている。さらに、Pink FloydやAlan Parsons Projectの楽曲を取り込む姿勢は、ロックやプログレの要素をクラブ仕様に置き換える試みとしても読める。後年の視点では、マッシュアップの先駆的な感覚を持つユニットとして語られるのも納得しやすい。

まとめ

『Domino』は、Pink Projectというプロジェクトの性格がそのまま出た1982年作だ。オリジナル曲を並べるアルバムというより、当時のヒット曲や印象的なフレーズを組み合わせ、ダンス向けの流れにまとめた企画盤としての性格が強い。「Disco Project」の存在によって知られ、イタロ・ディスコの中でも少し特殊な立ち位置を持つ作品と言えそうだ。メドレーという形式を通して、80年代初頭のイタリアのクラブ文化とポップ・ソングの再利用感覚が見えやすい一枚になっている。

トラックリスト

  1. A1 Der Da Da Da 5:45
  2. A2 Disco Project 5:05
  3. B1 Hyper Gamma Oxygene 6:27
  4. B2 Voices Of Independence 6:45
  5. C Smoke Like A Man 5:14
  6. D1 Amama 5:35
  7. D2 Magic Flight 6:30

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