Vinyl Record Reviews
Piperは、1980年代前半に活動した日本のバンドだ。ジャンルはElectronic、Pop、Funk / Soulにまたがり、Boogie、Funk、Synth-pop、Disco、City Popの要素を含む作品を残している。メンバーにはKeisuke Yamamoto、Wataru Ito、Takashi Shima、Kousuke Yamamotoの名前が挙がっている。
Piperの前身は、山本圭右と高校の音楽部の先輩だった彦田ジョージが組んだバンド「Skunk」だ。Skunkは1980年にシングル「Lovely Night」をリリースしている。翌1981年、レコード会社の勧めをきっかけに、彦田の発案でバンド名を「Piper」へ改名した。名前の由来は、レッド・ツェッペリンの「Stairway To Heaven」の歌詞に登場する、人々を導く笛吹きの“パイパー”にあるとされている。
レーベルのディレクター、鈴木裕二の誘いを受けてユピテル・レコードと契約し、Piperは本格的に活動を進める。デビュー当初は、ヴォーカルの彦田、ドラムの熊木、ベースの大島が在籍していたが、その後に脱退があり、伊藤渉がベーシストとして加入した。ドラムはプログラミング主体に切り替わっていく。
プロフィール情報では、演奏や制作に関わるメンバーとして、Keisuke YamamotoがGuitar、Vocals、Chorusを担当し、Ya ItoがBass、Chorus、Programming、Takashi ShimamuraがKeyboards、Chorus、Kosuke YamamotoがVocals、Guitar、Programming、Bass、Chorusを担当している。さらに、Masahiko YoshidaがProducer、Takanori UmenoがElectronic Drums、Kazuhito MurataがChorus、Vocals、Acoustic Guitarとして参加している。
1981年から1985年にかけて、ユピテル・レコードから4作、ムーン・レコードから1作の計5枚のアルバムを発表している。中心人物の山本圭右は、シンガーソングライターの村田和人のバンドでもギタリストを務めており、そのつながりで村田自身がPiperの録音に参加したこともある。
Piperの音楽は、シティポップの文脈で語られることが多い一方で、BoogieやFunk、Discoのリズム感、Synth-popの音色、Electronicな処理が重なっている。ギター、ベース、キーボードを軸にしながら、プログラミングや電子ドラムも取り入れていて、バンド編成と打ち込みの要素が同居している点が特徴として見えてくる。
村田和人との接点も含めて、1980年代前半の日本のポップス、AOR、シティポップ周辺の流れとつながる部分がある。実際の作品群では、都会的なコード感やダンサブルなビート、シンセサイザーの使い方が確認できる。
長く再発の機会が少なかったが、2020年に『Gentle Breeze』、2023年に『Sunshine Kiz』がヴァイナルで正規再発された。さらに2023年には初のベストアルバム『PIPER Cool Selection』もリリースされている。こうした動きによって、Piperはシティポップ再評価の流れの中で、国内外であらためて注目されている。
公式サイトやBandcamp、再発レーベルのページでも作品情報を追いやすくなっていて、1980年代のオリジナル盤を知らないリスナーでも入りやすい状況になっている。Piperの名前を手がかりにすると、当時の日本のポップスがどのように電子音やファンクの要素を取り込んでいたかが見えやすい。