Porcupine Tree

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Porcupine Tree

Porcupine Treeとは

Porcupine Treeは、1987年にイングランド・ヘメル・ヘムステッドでスティーヴン・ウィルソンが始めたプログレッシブ・ロック・バンドだ。もともとはウィルソンのソロ録音のための名義として動き出したが、1993年にコリン・エドウィン、クリス・メイトランド、リチャード・バルビエリが加わり、4人編成のバンドとして本格化した。現在の正式メンバーはスティーヴン・ウィルソン、リチャード・バルビエリ、ギャヴィン・ハリスンの3人だ。

活動のはじまり

結成のきっかけは、ウィルソンと友人のMalcolm Stocksが作った冗談から始まっている。架空の1970年代ロック・バンド「The Porcupine Tree」をでっち上げる遊びとして、偽のメンバー名や経歴まで作り込んだ。Stocksもアイデアや加工した声、ギターを少し出したが、曲作りから演奏、録音までほぼすべてをウィルソンひとりが行っていた。

1989年には80分のカセット『Tarquin's Seaweed Farm』を発表し、1990年にはEP『Love, Death & Mussolini』、1991年には2本目のカセット『The Nostalgia Factory』を出している。『Tarquin's Seaweed Farm』の解説には「Sir Tarquin Underspoon」「Timothy Tadpole-Jones」といった架空のメンバーや、刑務所に出たり入ったりしたという作り話まで書かれていた。『Love, Death & Mussolini』はわずか10枚しか作られていない。

このカセットを雑誌『Freakbeat』の共同編集者リチャード・アレンが好意的に評し、コンピレーション『A Psychedelic Psauna』に誘ったことが、デリリアム・レコードの立ち上げにつながった。

バンドとしての形が固まる1990年代

デリリアムは2本のカセットを再発し、ウィルソンを最初の所属アーティストとして迎えた。2本のカセットから選んだ『On the Sunday of Life...』(1992年)は、初回1000枚から始まり、とくにイタリアでよく売れて2000年までに2万枚を超えた。題はアレンが作っていた意味のない題名のリストから採っている。1993年の『Up the Downstair』は、もとは2枚組の予定だったのを1枚に絞ったもので、リチャード・バルビエリとコリン・エドウィンがゲストで参加し、Melody Makerは「サイケデリックの傑作」と呼んだ。2枚目に入る予定だった「Voyage 34」はシングルとなり、ラジオでかからなかったにもかかわらず、NMEのインディー・チャートに6週入り、アンダーグラウンドのチルアウトの定番になった。

1993年12月には、ウィルソン、エドウィン、バルビエリ、クリス・メイトランドの4人でライヴ・バンドとして動き始める。半分はバンド結成前に録られた過渡期の作品『The Sky Moves Sideways』(1995年)は、35分の表題曲を軸に英国の音楽誌のチャートに入ったが、ピンク・フロイドと比べられるようになったことをウィルソンはのちに悔やんでいる。初めてバンド全員で作った『Signify』(1996年)ではシングル「Waiting」がチャートに入り、1997年3月にはローマで3夜連続の公演を売り切って、ライヴ盤『Coma Divine』を最後にデリリアムを離れた。

歌ものへの寄せ方と評価の上昇

レーベルの無いまま録音した1999年の『Stupid Dream』(スナッパー/Kscope)では、ウィルソンはビーチ・ボーイズの『Pet Sounds』を手本に、曲作りそのものに重点を移した。この作品は、それまでで最も売れ、最も高く評価されたアルバムとなった。続く2000年の『Lightbulb Sun』では、XTCのデイヴ・グレゴリーが弦のアレンジを担当している。

ドリーム・シアターの前座を務め、2001年にはマリリオンのヨーロッパ公演を3日間サポートし、6月にはニューヨークのボトム・ラインを売り切った。そのアメリカ・ツアーの直後、ラヴァ/アトランティックと契約している。

メタル寄りの重さを増した2000年代

2002年2月、8年在籍したクリス・メイトランドが解雇され、ギャヴィン・ハリスンが加わった。ウィルソンはエクストリーム・メタルに傾倒し、オーペスのアルバムを3作続けてプロデュースしており、その経験がバンドの曲作りを重い方向へ変えた。

2002年の『In Absentia』はラヴァからのメジャー第1作で、2004年4月までに世界で10万枚以上を売り、それまでのどの作品の約3倍に達した。続く『Deadwing』は、ウィルソンが映像作家Mike Bennionと書いた映画の脚本をもとにした作品で、キング・クリムゾンのエイドリアン・ブリューとオーペスのミカエル・オーカーフェルトが参加。「Shallow」はBillboardのメインストリーム・ロック・チャートで26位となった(映画は予算が集まらず実現しなかった)。

ロードランナーに移って出した2007年の『Fear of a Blank Planet』は、題がパブリック・エネミーの『Fear of a Black Planet』をもじったもので、双極性障害や注意欠陥障害、メディアがもたらす孤立を歌っている。ロバート・フリップとラッシュのアレックス・ライフソンが参加し、Classic Rock誌の2007年の年間アルバムに選ばれ、グラミー賞の最優秀サラウンド・サウンド・アルバムにもノミネートされた(受賞はビートルズの『Love』)。2009年の『The Incident』は55分の組曲を含む2枚組で、全英23位、アメリカでもトップ25に入るバンド最大の商業的成功となり、これもグラミー賞にノミネートされた。2010年にはロイヤル・アルバート・ホールで公演している。

休止と再始動

『The Incident』の後、ウィルソンはソロ活動に専念した。2013年には「バンドが解散したわけではない」と言いながら、2015年には「今はソロが自分の音楽の本道だ」と話し、2016年には「そのバンドはもう存在しない」、2018年には再始動の可能性は「ゼロ」だ、「後ろに戻ることに興味はない」とまで語り、バルビエリとの関係がぎくしゃくした。

ところが実際には、2011年ごろからウィルソンとハリスンが2人でジャムを重ね(ウィルソンがベースを弾いた)、のちにバルビエリが加わって、10年ほどかけてひそかに録音を続けていた。曲は「PT2012」から始まるファイル名で保存され、コロナ禍のロックダウンで作業に集中できたことで2021年9月に完成した。2021年11月1日、シングル「Harridan」とともに再始動を発表し、2022年6月の『Closure/Continuation』はドイツ、オランダ、スイスなどで1位、全英2位となった。

コリン・エドウィンは戻らず、ウィルソンは休止中に連絡が途絶えたことと音楽性の違いを理由に挙げ、バルビエリは「コリン・エドウィンに対して何かあったわけではない」と話している。ツアーではランディ・マクスタインとネイト・ナヴァロが加わり、ロンドンではウェンブリー・アリーナで公演した。2025年2月、ウィルソンはバンドが再び曲を書いていると明かしている。

音楽的特徴

Porcupine Treeの音は、プログレッシブ・ロックを軸にしながら、オルタナティヴ・ロックやプログレッシブ・メタルの要素も入る。初期はサイケデリック色が強く、のちにメロディ重視の楽曲と重いリフ、細かいリズム処理が同居する作りへ移った。

多くの作品に5.1チャンネルのミックスがあるのも特徴。曲は物憂げだと言われることが多く、ウィルソンは「世界の否定的な面について曲を書くほうが簡単だ」と話している。「新しいピンク・フロイド」という比較は嫌っており、プログレッシブとは「絶えず進化し続けること」だと説明している。

影響源と周辺からの評価

初期の影響源として、ピンク・フロイドの『The Dark Side of the Moon』とドナ・サマーの『Love to Love You Baby』、ビートルズ、キャメル、シュトックハウゼンが挙げられ、カン、ノイ!、タンジェリン・ドリーム、エイフェックス・ツインといったクラウトロックや電子音楽、メシュガーやゴジラなどのエクストリーム・メタルからも影響を受けている。

カタトニアのAnders Nyströmは、自分たちのポスト・デス・メタル期がこのバンドの影響を受けたと話し、ゴルグツのLuc Lemayは『The Incident』を「大きな啓示」と呼んだ。ラッシュのニール・パートとアレックス・ライフソン、ドリーム・シアターのジョーダン・ルーデスとマイク・ポートノイ、ヘイケンらもバンドを称賛している。

メンバー

  • Steven Wilson - vocals, guitar, bass, keyboards
  • Richard Barbieri - keyboards, synthesizers
  • Gavin Harrison - drums, percussion
  • Chris Maitland - drums(旧メンバー)
  • Colin Edwin - bass(旧メンバー)

ジャンル・スタイル

Pop Rock Alternative Rock Prog Rock Progressive Metal
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