Porcupine Tree - Closure / Continuation (2022)
Porcupine Tree『Closure / Continuation』について
Porcupine Treeの『Closure / Continuation』は、2022年に発表された11作目のスタジオ・アルバムで、Steven Wilson、Richard Barbieri、Gavin Harrisonの3人体制で戻ってきた作品だ。2010年の活動休止を経ての新作であり、バンドとしては実に長い間隔を置いた復帰作という位置づけになる。タイトルの通り、「終わり」と「続き」が同時に置かれたアルバムで、バンドの過去を引き継ぎながらも、そのまま同じ形に収まらないところが印象に残る。
今回のレコードはUSA & Europe仕様の2022年盤で、Music For Nationsからのリリース。ダブル・ブラック・ヴァイナルの2枚組で、ワイドスパインのスリーブに2枚の印刷入りインナーが収められている。歌詞とクレジットが内袋に載っている仕様で、パッケージとしてもアルバム全体の重さと統一感を感じさせるつくりだ。
バンド復帰作としての意味
Porcupine Treeは、もともとSteven Wilsonのソロ・プロジェクトとして始まり、その後バンド編成へと発展した経緯を持つ。90年代後半から2000年代にかけては、英国プログレッシブ・ロックの文脈でしっかり存在感を持つようになり、硬質なリフ、緻密なアレンジ、音響の整理された質感で知られるようになった。『Closure / Continuation』は、その系譜を引き継ぎつつ、再始動後の現在形を示すアルバムと言えそうだ。
制作完了は2021年9月とされ、ロックダウン期を経て仕上がった作品でもある。バンド側の発表では、共同作業の比重が以前より高く、3人でのやり取りがそのまま音に反映されていることがうかがえる。復帰第一作というより、活動停止前から続いていた流れの先にある新しい章として受け止められているのも自然だろう。
収録曲と聴きどころ
本作は全7曲を軸に構成され、長尺曲が並ぶのが特徴だ。Porcupine Treeらしいのは、ただ長いだけではなく、曲の中で場面が細かく切り替わるところ。静かな導入から音が積み上がり、リズムが前に出て、また余白に戻る。その往復の中で、曲ごとの輪郭が保たれている。
先行曲として知られる「Harridan」は、復帰後のバンドを象徴する1曲として扱われた。Gavin Harrisonの精密なドラムと、Wilsonのギター/ボーカル、Barbieriの鍵盤が、以前のPorcupine Treeらしい緊張感を保ったまま進んでいく。アルバム全体でも、過去作にあった重さや冷たさだけに寄らず、音の配置で引っ張る場面が目立つ。
また、クレジットには「completed Sept, 2021」とあり、制作の終点が明確に記されているのもこの作品らしいところだ。インナーには環境音やサンプルの記載もあり、細部まで音作りが詰められていることがわかる。Steven Wilsonの鍵盤音には、Ghostwriterという仮想楽器が使われていることも明記されていて、アナログ的なバンド感と現代的な制作技術が同居している。
2022年作としての位置づけ
リリース当時の評価はおおむね好意的で、再結成の懐古に寄らず、今の3人で更新された作品として受け止められた。英国ではOfficial Albums Chartで2位を記録し、Sales ChartやDownloads Chartでは1位を獲得している。プログレ系の文脈ではもちろん、近年の英国ロックの中でも存在感の大きいリリースだったと言えそうだ。
同時代のプログ・ロックと比べても、Porcupine Treeは演奏の密度だけで押し切るタイプではなく、空間の使い方や音の乾湿の差で聴かせる側面が強い。Steven Wilsonのソロ作品や、Richard Barbieriの色彩感、Gavin Harrisonの緻密なドラミングが、それぞれ独立した個性として見えつつ、1枚のアルバムの中でまとまっているのが面白いところだ。King Crimson以降の実験性を感じさせながら、90年代以降のオルタナティヴな質感も持つ、その中間の位置取りがこのバンドの持ち味として残っている。
レコードとしての魅力
この2022年盤は、2枚組のブラック・ヴァイナルで、ジャケットとインナーの情報量も多い。Music For Nationsのクレジットが入り、EU製造であることも記されている。盤面のラベルには(LC)13989の表記があり、細かな仕様まで整理された現行リリースらしい仕上がりだ。
『Closure / Continuation』は、Porcupine Treeの過去作を知る人には流れの延長として、初めて触れる人には完成度の高い現代プログ・ロック作品として見える1枚だろう。長い活動休止を経ても、音の組み立て方や緊張の持たせ方は変わらず、むしろ3人編成に戻ったことで輪郭がはっきりした印象がある。バンドの現在地を示す作品として、かなり意味のあるアルバムだ。
トラックリスト
- A1 Harridan 8:09
- A2 Of The New Day 4:43
- B1 Rats Return 5:40
- B2 Dignity 8:21
- C1 Herd Culling 7:02
- C2 Walk The Plank 4:26
- D Chimera's Wreck 9:40
動画
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Porcupine Tree - Harridan (Official Lyric Video)
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Porcupine Tree - Of The New Day (Official Lyric Video)
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Porcupine Tree - Rats Return (Official Video)
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Porcupine Tree - Dignity (Official Audio)
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Porcupine Tree - Herd Culling (Official Video)
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Porcupine Tree - Walk the Plank (Official Audio)
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Porcupine Tree - Chimera's Wreck (Official Audio)
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Porcupine Tree - Population Three (Official Audio)
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Porcupine Tree - Never Have (Official Audio)
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Porcupine Tree - Love in the Past Tense (Official Audio)
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Unboxing Porcupine Tree - Closure / Continuation 2022 Deluxe Edition
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Porcupine Tree – Of The New Day......yerdenizplak.com İstanbul Kadıköy