Vinyl Record Reviews
Rinder & Lewisは、Laurin RinderとW. Michael Lewisによる制作ユニットだ。1970年代半ばから後半にかけて、ロサンゼルス発のディスコ・サウンドの制作で存在感を強めた。Electronic、Funk / Soul、Discoの文脈で語られることが多く、スタジオ・プロジェクトを中心に活動した。
ウェブ上の情報では、二人は1975年に12インチ・シングルでブレイクして以降、約7年間で30枚分ものアルバム素材を制作したとされる。かなりの多作ぶりだ。
制作のやり方も特徴的で、ストリングスやホーンを除くほぼ全パートを二人で担当し、ヴォーカルはセッション・シンガーに任せる形を取っていた。El Coco、Saint Tropez、Tuxedo Junction、Le Pamplemousseといった架空のグループ名義を使い分けながら作品を出していた点も、このユニットの特徴になっている。
Laurin Rinderは、自分たちがロックやジャズの「正統派」ミュージシャンとして見られることを気にして、表に出ず匿名性を保ちたかったと語っている。前に出るアーティストというより、制作の手腕で勝負するチームだった。
Rinder & Lewisは、1970年代中盤から後半にかけてロサンゼルスで形作られていったディスコ・サウンドの一端を担った。彼らが関わったEl CocoやSaint Tropez、Le Pamplemousseなどの名義作品は、その流れの中で流通していた。
特にLe Pamplemousseでは「Le Spank」が知られている。こうしたプロジェクト群は、ディスコを単発のヒットだけでなく、制作チーム主導で量産する仕組みの中で広げていった例として見やすい。
自身の名前を冠した名義では、1977年にコンセプト・アルバム『Seven Deadly Sins』を発表している。テーマは「七つの大罪」で、ディスコの枠組みの中に企画性を持ち込んだ作品として整理できる。
1979年の『Warriors』では、The Cloversの「Love Potion #9」やBob & Earlの「Harlem Shuffle」といった60年代のヒット曲をディスコ・カバーしている。オリジナル曲中心の制作だけでなく、既存の楽曲をディスコ向けに組み替える仕事も行っていた。
Rinder & Lewisは、1970年代のディスコがスタジオ・ワークを中心に拡張していく流れの中にいる。歌い手やバンドの個性を前面に出すというより、制作チームが音像を組み立てるやり方を徹底した点が目立つ。
ロサンゼルス発のディスコを支えた裏方としても、自身の名義でテーマ性のある作品を出したユニットとしても、整理しやすい存在だ。派手な表舞台より、制作の積み重ねでディスコの輪郭を作っていったチームとして見ておくとわかりやすい。