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Rip Rig & Panicは、ブリストルのポスト・パンク・バンド、The Pop Groupの流れから1980〜81年ごろに結成されたグループだ。中心になったのはドラマーのBruce Smithとマルチ楽器奏者のGareth Sagerで、バンド名はジャズ・サックス奏者Roland Kirkのアルバムに由来する。
メンバーにはNeneh Cherry、Sean Oliver、Mark Springer、Andrea Oliver、Jez Parfitt、Steve Noble、Bruce Smith、Gareth Sagerらが名を連ねている。初期の核となったのは、Gareth Sager、Neneh Cherry、Bruce Smith、Sean Oliver、Mark Springerだった。
The Pop Group解散後のブリストル周辺では、ポスト・パンクを軸にしながら、ファンクやダブ、フリー・ジャズの要素を取り込む流れが続いていた。Rip Rig & Panicもその延長線上にあり、単純なロック・バンドというより、複数の音楽要素をぶつけながら進む編成だった。
ヴォーカルには当時10代のNeneh Cherryが加入した。彼女は14歳で学校を離れ、15歳のときに義父でジャズ・トランペット奏者のDon Cherryのツアーに同行し、The Slitsとも接点を持ったあと、Rip Rig & Panicのリード・ヴォーカルを務めた。
このバンドの特徴は、ポスト・パンクにフリー・ジャズ、フリー・インプロヴィゼーション、ファンク、レゲエを混ぜているところにある。ジャンルをきれいに分けるより、演奏の勢いと不規則さを前に出す作りだ。
1981年9月にVirginから出たデビュー作『God』は、12インチ45回転盤2枚組という形でリリースされた。収録曲では、ザ・スリッツのAri Upもゲスト参加している。メロディ・メイカー誌では「ジャンル分けを超えた素晴らしく荒々しく洗練された音楽」と評されていた。
続く2作目『I Am Cold』は1982年の作品で、ここにはDon Cherryもトランペットで参加している。ジャズ側の人脈がそのまま入ってきていて、バンドの方向性がよく見える一枚だ。
Rip Rig & Panicは1982年の第1回WOMADフェスティバルに出演している。この頃、Neneh Cherryはいったんスウェーデンに戻り、第一子の出産をしている。
その後、Sean Oliverの妹であるAndrea Oliverが一時的にヴォーカルを担当し、ドラムにはLouis Moholoが加わった。活動の形を変えながら続いたものの、バンドは1985年に解散した。
解散後は、より小さな編成のFloat Up CP、さらにGod Mother And Countryへと組み替えられていく。Neneh Cherryはその後ソロで成功を収め、Andrea Oliverは彼女の楽曲の一部に関わっている。
Rip Rig & Panicは、ポスト・パンクの文脈にジャズやファンクを強く持ち込んだバンドとして見られている。特に、Neneh Cherryの初期キャリアを形作った場としても重要だ。The Pop Group周辺の実験性を受け継ぎつつ、より自由度の高い演奏と、ヴォーカルの存在感を前に出していた。
活動期間は長くないが、『God』や『I Am Cold』に残された音は、当時の英国インディーや実験音楽の流れを追ううえで外しにくい。ロック、ジャズ、ファンクをまたぐ動きが、かなり早い段階でまとまった形になっているバンドだ。