Rip Rig + Panic - Attitude (1983)
Rip Rig + Panic『Attitude』(1983年)
Rip Rig + Panicの『Attitude』は、1983年にUKのVirginから出た3作目にして最終スタジオ盤である。前作までの、崩れ方そのものを楽しむような即興性に比べると、このアルバムでは曲としての輪郭がかなりはっきりしている。歌、メロディ、編曲の比重が増し、Gareth Sagerの作曲感覚が前面に出た作品として受け止められてきた。
Rip Rig + Panicは、BristolのThe Pop Groupの流れから生まれたバンドで、Neneh Cherry、Bruce Smith、Sean Oliver、Mark Springer、Gareth Sagerらを中心に活動した。バンド名はRoland Kirkのアルバム名に由来する。フリー・ジャズの緊張感、ポストパンクの切れ味、ファンクの反復を同じ場所に置くようなグループで、当時のUKの実験的なロックやジャズ・ファンクの文脈の中でもかなり独特な位置にいた。
作品の位置づけ
『Attitude』は、そのRip Rig + Panicの中でも、いちばん整理された印象のある一枚だ。Neneh Cherryの歌が前に出る場面が増え、以前の作品で見られた断片的な展開よりも、フレーズの反復や曲の流れが追いやすい。Gareth Sagerはホーンやストリングスのアレンジも担当しており、音の配置に意識が向いた作りになっている。勢い任せではなく、構成の手触りが残るアルバム。
制作はバンド自身に加えてAdam KidronとGareth Sagerがプロデュースを担当。演奏陣にはNeneh Cherry、Sean Oliver、Bruce Smith、Mark Springerらが参加し、追加奏者も加わっている。ライナーノートには℗ 1983 Virgin Records Ltd.、© 1983 Virgin Records Ltd.と記され、UK盤らしい当時のVirginの空気もそのまま封じ込められている。ラベルはVirginの1980年代前半らしい緑と赤の意匠で、時代感のある見た目も含めて、作品の年代を強く感じさせる盤面だ。
サウンドの特徴
ジャンル表記はJazz、Rock、スタイルとしてAlternative Rock、Jazz-Funk。実際に耳を通すと、ジャズの即興性を土台にしながら、リズム隊はロック寄りの押し出しを持ち、そこへファンクの反復が差し込まれる場面が多い。音の数は多いが、むやみに散らからず、以前よりも曲単位でのまとまりが強い。NMEが当時このアルバムを「より完成度が高く、より定義され、より思慮深く、より満足度の高い」と評したのも、この整理された感触を指している。
シングルとしては「Beat the Beast」と「Do the Tightrope」が知られる。アルバム全体の中でも、歌とリズムの関係がはっきり出る楽曲で、Rip Rig + Panicの中では比較的入口が見えやすい曲。バンドの中核にあったアグレッシブさを残しつつ、曲としてのフックを意識した作りが印象に残る。
同時代の中での見え方
1983年のUKでは、ポストパンク以後の実験性が、よりダンス寄りの感覚やジャズの要素と交差していた。The Pop Group周辺の流れ、あるいは同時代のアヴァンギャルドなファンク、ポリリズムを使うバンド群と並べて考えると、Rip Rig + Panicはその中でもかなり自由度の高い存在だった。『Attitude』では、その自由さを保ちながら、前作までよりも曲の形を意識した点がはっきりしている。
商業的には大きなヒットには結びつかなかったが、NMEの年間リストに入っていることからも、当時の音楽メディアがこの作品を無視していなかったことがわかる。バンドとしてはこの後に解体へ向かい、Neneh Cherryはソロへ、Sean Oliverは後年Terence Trent D'Arbyの楽曲制作にも関わるなど、それぞれの道に分かれていく。その意味で『Attitude』は、Rip Rig + Panicの到達点であり、終盤の記録でもある。
まとめ
『Attitude』は、Rip Rig + Panicの奔放さをそのまま残しながら、歌と構成を前に出した1983年の作品である。フリーな感覚、ジャズ・ファンクの推進力、ポストパンクの緊張感が同居し、その上で曲としてのまとまりが強まっている。バンドの変化がそのまま刻まれた一枚、UK Virginの1983年という時代の空気を含んだレコードだ。
トラックリスト
- A1 Keep The Sharks From Your Heart
- A2 Sunken Love
- A3 Rip Open, But Oh So Long Thy Wounds Take To Heal
- A4 Do The Tightrope
- A5 Intimacy, Just Gently Shimmer
- A6 How That Spark Sets Me Aglow
- B1 Alchemy In This Cemetry
- B2 Beat The Beast
- B3 The Birth Pangs Of Spring
- B4 Eros; What Brings Colour Up The Stem?
- B5 Push Your Tiny Body As High As Your Desire Can Take You
- B6 Viva X Dreams
動画プレイリスト
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Α1-Rip Rig + Panic-Keep the Sharks From Your Heart
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Α2-Rip Rig + Panic-Sunken Love
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Α3-Rip Rig + Panic-Rip Open, But Oh So Long Thy Wounds Take to Heal
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Α4-Rip Rig + Panic-Do The Tightrope
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Α6-Rip Rig + Panic-How That Spark Sets Me Aglow
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B1-Rip Rig + Panic-Alchemy in This Cemetry
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Rip Rig + Panic – Attitude-Full Album,
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B2-Rip Rig + Panic-Beat the Beast
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B3-Rip Rig + Panic-The Birth Pangs of Spring
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B4-Rip Rig + Panic- Eros; What Brings Colour Up The Stem?
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B5-Rip Rig + Panic- Push Your Tiny Body as High as Your Desire Can Take You
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B6-Rip Rig + Panic- Viva X Dreams