Vinyl Record Reviews
Sadeは、イギリス・ロンドンで結成されたソウル/スムース・ジャズ系のグループだ。名前はボーカルのSade Aduに由来する。編成は長く安定していて、Sade Adu(ボーカル)、Paul S. Denman(ベース)、Andrew Hale(キーボード)、Stuart Matthewman(サックス)を中心に活動してきた。
Sadeは、ロンドンのファンク・バンドPrideの活動から生まれた。もともとPrideでバックコーラスを務めていたSade Aduが、同バンドのギタリスト/サックス奏者だったStuart Matthewmanと創作面で結びつきを深めたことがきっかけになっている。2人の共作から、後に代表曲「Smooth Operator」につながる原型が生まれ、1983年前半にAndrew Hale、Paul S. DenmanらとともにPrideを離れてSadeを結成した。その年にEpic Recordsと契約している。
1984年のデビュー作『Diamond Life』は、ロンドンのPower Plant Studioで制作され、Robin Millarがプロデュースを担当した。「Your Love Is King」が全英トップ10入りし、「Smooth Operator」もヒットしたことで、作品は世界的に広がった。アルバムは全世界で700万枚以上を売り上げ、当時は英国出身の女性アーティストによるデビュー作として長く記録を保った。
1986年のグラミー賞では最優秀新人賞を受賞している。Sade Aduは、ナイジェリア生まれのアーティストとして初のグラミー受賞者になった。
Sadeの音楽は、ソウルを基調にしながら、ジャズ寄りの和声やサックスを含む編成、ゆったりしたグルーヴを組み合わせた作りが目立つ。一般的なファンクやR&Bよりも、音数を絞った演奏と一定のテンポ感が前に出る曲が多い。Stuart MatthewmanのサックスやAndrew Haleのキーボード、Paul S. Denmanのベースが、Sade Aduの歌を支える形で機能している。
代表曲としては「Smooth Operator」「Your Love Is King」がよく知られている。2000年の『Lovers Rock』では最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞、2010年の『Soldier of Love』では最優秀R&Bデュオ/グループ・パフォーマンス賞を受賞していて、ソウル寄りの制作とグループとしての完成度が評価されてきた流れが見える。
Sadeはアルバム間の間隔が長いことでも知られる。『Lovers Rock』のあとには10年ほど新作を出していない時期があり、制作ペースはかなりゆっくりしている。活動の量は多くないが、主要メンバーの編成は30年以上にわたって大きく変わっていない。
Sadeはメディア露出が少なく、授賞式にもほとんど姿を見せないことで知られている。寡黙な活動スタイルは、作品の出る間隔の長さも含めて、バンドの見え方に影響している。派手な露出よりも、アルバム単位で音楽を提示してきたグループとして整理できる。