Vinyl Record Reviews
Shocking Blueは、1967年にオランダで結成されたロック・バンドだ。中心人物は、元The MotionsのギタリストだったRobbie van Leeuwenで、初期メンバーにはCor van der Beek(ドラム)、Klaasje van der Wal(ベース)、Fred de Wilde(ボーカル)がいた。ジャンルはRock、Popで、スタイルとしてはPop Rock、Glam、Classic Rockに分類されている。
バンドの初期シングルは1968年にオランダのチャート入りを果たした。その後まもなく、Mariska VeresがFred de Wildeに代わってリード・ボーカルに加わる。1969年から1970年にかけては「Venus」をはじめ、複数のヒット曲で国際的な成功を収めた。
1971年にはKlaasje van der WalがHenk Smitskampに交代し、1973年にはRobbie van Leeuwenの後任としてMartin van Wijkが参加した。バンドは1975年に解散している。1979年にはvan Leeuwenが再始動を試みたが、「Louise」はドイツのコンピレーション盤にのみ収録された。
Shocking Blueを語るうえで外せないのが「Venus」だ。1970年2月7日付のBillboard Hot 100で1位を獲得し、オランダのバンドとして初めて全米チャート首位に立った曲になった。世界各国でもヒットし、バンドの名前を一気に広げた。
作曲を担当したRobbie van Leeuwenは、2007年のテレビインタビューで、このメロディがTim Roseによる1963年の「The Banjo Song」から影響を受けたことを認めている。ただし、盗作をめぐる訴訟や告発には発展しなかった。
その後、1986年にはBananaramaがストック・エイトキン・ウォーターマン制作のハイエナジー寄りのダンス・アレンジでカバーし、こちらも全米・全英・カナダ・オーストラリアなどで1位を記録した。
Shocking Blueの音は、ロックを軸にしながら、ポップの要素をはっきり持っている。ギター主体の曲作りに、覚えやすいメロディが乗る構成が目立つ。サイケデリック・ロックやグラム・ロックの時代感もありつつ、曲の芯はポップ・ロックとしてまとまっている。
Robbie van Leeuwenはギターだけでなく、シタールやコーラスも担当していて、サウンドの幅を作っていた。初期の編成から見ても、ハードなロック一辺倒ではなく、曲ごとの色を変えやすいバンドだった。
Mariska Veresは、Shocking Blueの印象を決定づけた人物のひとりだ。ハンガリー系ロマの血を引く父と、フランス・ロシア系の血を引く母のもとに生まれ、黒く長い付け毛とアイラインで縁取られた目元が特徴的だった。ヨーロッパのロック・シーンでも目を引くルックスだった。
彼女は2003年に、自身のロマの血筋を掘り下げたアルバム『Gipsy Heart』も制作している。2006年12月2日、がんのため59歳で死去した。
Shocking Blueは活動期間中に複数回のメンバーチェンジを経験している。初期メンバーから後期メンバーまで、役割の入れ替わりがありながらも、バンドの名前は「Venus」を中心に広く知られ続けた。
Shocking Blueの名前は、「Venus」のヒットとともに今も参照されることが多い。オランダのバンドがアメリカのポップ・チャートで1位を取った事実は、当時の欧州ロック・バンドの到達点のひとつとして扱われている。
また、「Venus」が後年にBananaramaへ受け継がれ、別の時代のチャートでも成功した点も大きい。Shocking Blueの曲が、オリジナルのヒットだけで終わらず、カバーを通じて別の世代にも届いた形になっている。