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Sigur Rósは、アイスランド・レイキャヴィーク出身のポストロック・バンドだ。ジャンル表記ではElectronic、Rockに加えて、Ambient、Space Rock、Ethereal、Post Rockといった要素が挙げられている。フロントマンのJón Þór Birgisson(Jónsi)のファルセット・ボーカルと、弓で弾くギターの使い方で知られている。
バンド名の「Sigur Rós」はアイスランド語で「Victory Rose」を意味する。Jónsiの生まれたばかりの妹、Sigurrós Elín Birgisdóttirに由来して名付けられた。
グループは1994年1月、レイキャヴィークでJón Þór Birgisson、Georg Holm、Ágúst Ævar Gunnarssonの3人によって結成された。その後、2作目のアルバム発表後にÁgúst Ævar Gunnarssonが脱退し、Orri Páll Dýrasonが加入する。1998年にはKjartan Sveinssonがキーボードで参加した。
Kjartan Sveinssonはいったん2013年に脱退したが、2022年2月に復帰が発表された。Orri Páll Dýrasonは2018年にバンドを離れている。2022年11月時点の編成としては、Jón Þór Birgisson、Georg Holm、Kjartan Sveinsson、Ólafur Björn Ólafssonが挙げられている。
Sigur Rósのサウンドを語るうえで外せないのが、Jónsiが使う「ヴォンレンスカ(Vonlenska)」だ。英語圏では「ホープランディック」とも呼ばれる。この発声は、文法や単語、意味を持たず、旋律とリズムに合わせて置かれる音の連なりとして使われている。Jónsi自身も、音楽に溶け込む“もう一つの楽器”のようなものとして説明している。
この手法は、デビュー・アルバム『Von』(1997年)の同名曲で初めて使われたことに由来する。さらに2002年の3作目『( )』では、全曲がヴォンレンスカのみで歌われ、曲名も付けられていない。バンドの実験性がそのまま形になった作品として知られている。
もう一つの特徴が、Jónsiによるボウド・ギターだ。Gibson Les Paulにチェロ用の弓を当て、ブリッジの前後を弓で弾くことで、持続音を強く出している。深いリバーブと組み合わさることで、ロックのギターとは少し違う音像が作られている。
弓弾きギター自体は、1960年代のThe Mark Four(後のThe Creation)のEddie Phillipsや、Led ZeppelinのJimmy Pageにも見られる奏法だ。Sigur Rósは1990年代半ばの結成当初からこの方法を取り入れていて、単なる効果としてではなく、バンドの核になる音作りとして使ってきた。
また、クラシカルな要素やミニマルな感覚を取り入れている点も、彼らの音楽を形作る要素として挙げられている。電子的な処理と生楽器の響きが同居していて、曲によっては空間の広がりを重視した構成が目立つ。