Vinyl Record Reviews
Spectre Folkは、Pete Nolanによるプロジェクトとして1999年に始まった。最初はノイズ/ギターの7インチ作品でスタートし、その後、Nolanひとりの名義で『Blackest Medicine』と『Compass, Blanket, Lantern, Mojo』という2枚のLPを発表している。
プロフィールにある通り、当初はソロの形で進んでいたが、のちにPeter Meehan、Aaron Mullan、Steve Shelleyが加わり、バンド編成へと広がっていった。現在のメンバー欄には、Steve Shelley、Aaron Mullan、Samara Lubelski、Mark Ibold、Pete Nolan、Pete Meehan、Brian Sullivan、Violet Ray Nolan、Eben Bullの名前が並ぶ。
Web上の情報では、Spectre FolkはMagik Markersのパーカッショニストとして知られるPete Nolanのソロ・プロジェクトとして始まっている。Nolanはその後、複数のミュージシャンを迎え入れながら活動を続けた。
バンドの中核には、Sonic Youthの元ドラマーSteve Shelley、PavementやSonic Youthでベースを弾いたMark Ibold、Tall FirsやHallogalloで知られるAaron Mullan、Peter Meehanらがいる。もともとAaron Mullanがベースを担当していたが、Mark Iboldの加入後はギターへ回ったという編成の変遷もある。
録音の多くは、Sonic Youthのメンバーが運営するニューヨークのスタジオEcho Canyon Westで、Aaron MullanとTed Youngによって行われている。
Spectre Folkの音楽は、フォークを軸にしながら、実験的な要素とサイケデリック・ロックの影響が重なっている。初期作品では、ノイズとギターを中心にした厚みのある音像が前面に出ていて、その後のバンド編成でもその感触は残っている。
Web上の情報では、Pete Nolanが世界各地を旅した経験を歌詞に反映していること、そして過去のサイケデリック・ロックへのオマージュを感じさせるフィードバックを含んだグルーヴが特徴として挙げられている。フォークの曲構造に、ノイズや即興性を寄せた形で進めている点がこのプロジェクトの中心にある。
Spectre Folkには、Sonic Youth、Pavement、Magik Markersといった名前が関わっている。参加メンバーの経歴を見ると、オルタナティブ/インディー・ロックやノイズの現場で活動してきたミュージシャンが集まっていることがわかる。
そのため、Spectre Folkは単独のシンガーソングライター作品というより、Pete Nolanの個人的な出発点を持ちながら、複数の経験を持つ演奏者が加わって形を変えてきたプロジェクトとして捉えるのが近い。
まずは初期の7インチや、Nolan名義で出たLPからたどると、ノイズ寄りの出発点が見えやすい。そこからバンド編成になった後の音源を聴くと、フォークの骨格に、ギターのフィードバックやサイケデリックな展開がどう重なっているかが追いやすい。
関連サイトはBandcampにまとまっているので、作品ごとの流れを確認しながら聴くのが便利だ。Spectre Folkのページはこちら。