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Speed, Glue & Shinkiは、1970年に結成された日本のサイケデリック・ロック・バンドだ。中心になったのはギタリストのShinki Chenで、プロデューサーのIkuzo Oritaが関わったソロ・プロジェクトを起点に、フィリピン人のドラマー/ボーカリストJoey Smith、The Golden Cups出身のベーシストMasayoshi Kabeが加わってパワー・トリオになった。
バンド名は、メンバーの当時の嗜好に由来するという話が伝わっている。Joey Smithの「スピード」、Masayoshi Kabeの「グルー」にまつわる逸話として紹介されることが多い。
活動期間は短く、1970年の結成から1972年の解散までの約2年ほどだ。残した作品は少なく、1971年のデビュー作『Eve(前夜)』と、1972年のセルフタイトル作の2枚が知られている。
当時は大きく評価されたわけではないが、後年になって日本のサイケデリック・ロック初期を代表する作品として再評価が進んだ。海外でもカルト的な人気を集め、イギリスの音楽評論家Julian Copeが著書『Japrocksampler』で紹介したことも、再評価の流れに関わっている。
特にShinki Chenは、激しいギタープレイとテクニックで知られ、「日本のジミ・ヘンドリックス」と呼ばれることがある。日本のロック・シーンの中でも、ギター表現の面で目立つ存在だった。
Speed, Glue & Shinkiの音楽は、Psychedelic RockとBlues Rockを軸にしている。そこにヘヴィメタル、ハードロック、ストーナーロックに通じる重いギター・リフや、引きずるような展開が入ってくる。単なる懐古的なサイケデリック・ロックではなく、音の圧が強いのが特徴だ。
Shinki Chenのギターは、細かいフレーズだけで押すというより、音量と歪みを前面に出して曲を引っ張る場面が多い。そこにJoey Smithのドラムとボーカル、Masayoshi Kabeのベースが重なって、トリオ編成らしい密度の高い演奏になっている。
活動当時は、広く一般的な評価を得たバンドではなかった。だが、解散後に日本のサイケデリック・ロックの重要作として扱われるようになり、海外のリスナーや研究者の間でも名前が挙がるようになった。
日本のロックが独自の形を作っていく1970年代初頭の空気を、そのまま作品に残したバンドとして見られることが多い。特に、重いサウンドとサイケデリックな展開を組み合わせた点は、後のハードロックやストーナー系のリスナーにも届いている。
まずは『Eve(前夜)』とセルフタイトル作の2枚を並べて聴くと、短い活動期間の中での音の輪郭がつかみやすい。ギターの歪み方、リズム隊の重さ、曲の展開の作り方に注目すると、このバンドの特徴が見えやすい。
日本のロック史の文脈で追うのはもちろん、60〜70年代のサイケデリック・ロックやブルース・ロックが好きな人にも、かなり気になる存在だ。