Vinyl Record Reviews
Spinnersは、アメリカ・デトロイト出身のソウル・グループだ。ジャンルはFunk / Soul、スタイルとしてはSoul、Rhythm & Bluesに位置づけられている。1960年代のモータウン期から活動を続け、1970年代にはフィラデルフィア・ソウルの代表的なグループのひとつとして知られるようになった。
起源は1954年までさかのぼる。デトロイトで集まった5人の友人たちが「Domingoes」という名前で活動を始め、1961年にSpinnersへ改名した。オリジナル・メンバーにはBobby Smith、George Dixon、Billy Henderson、Henry Fambrough、Pervis Jacksonがいた。
初期のシングルは、デトロイトを拠点にしたレーベルから発売され、その後Motownに移籍して1964年から1971年にかけて複数のシングルを発表した。この時期には、Stevie Wonderが書いた楽曲もリリースしている。UKでは、英フォーク・グループとの混同を避けるために「The Detroit Spinners」や「The Motown Spinners」の名義で出ていた。
1970年代初頭、Motownを離れたSpinnersはAtlantic Recordsと契約する。ここでプロデューサーのTom Bellと組んだことが、大きな転機になった。Tom Bellは、ストリングス、リズム・セクション、ホーンを整理して組み合わせる、いわゆるフィラデルフィア・ソウルの作り方でグループのサウンドを組み立てた。
この時期のSpinnersは、「I'll Be Around」「Could It Be I'm Falling in Love」「Mighty Love」「Then Came You」「The Rubberband Man」などを次々に発表している。1973年の「Could It Be I'm Falling in Love」はBillboardで4位、1976年の「The Rubberband Man」は2位まで上がった。1972年から77年にかけて、グループはソウル・チャートだけでなくポップ・チャートでも存在感を見せている。
Spinnersの音は、モータウン期のグループ・ヴォーカルの流れと、フィラデルフィア・ソウルの洗練されたアレンジが重なっている。Tom Bellとの仕事では、滑らかなストリングスとタイトなリズム、整ったホーン・セクションの上に、ファンク寄りの細かなグルーヴが入る構成が目立つ。
その中でも、リード・ヴォーカルの扱いがはっきりしている。1972年に加入したPhilippe Wynneは黄金期を引っ張った人物で、グループの前面に出る歌い回しで楽曲を支えた。なお、「Philippe Wynne and the Spinners」への改名案は通らず、彼は1977年1月に脱退している。
Spinnersは長い活動の中でメンバーの入れ替わりがあった。プロフィール上ではPhilippe Wynne、G.C. Cameron、John Edwards、Henry Fambrough、Billy Henderson、Bobbie Smith、Pervis Jackson、James Edwards、C.P. Spencerの名前が挙がっている。初期メンバーを軸にしつつ、時期ごとに編成を変えながら活動を続けてきたグループだ。
Spinnersは、1960年代のデトロイト・ソウルと1970年代のフィラデルフィア・ソウルをつなぐ存在として扱われることが多い。モータウンで培ったコーラス・ワークに、Atlantic期の整ったプロダクションが重なったことで、ソウル・グループの録音スタイルに具体的な形を与えた。
特に「I'll Be Around」や「The Rubberband Man」は、ラジオ向けの聴きやすさとグルーヴ感を両立した曲として今も参照されることが多い。ソウル、R&B、ファンクの境目をまたぐような作り方をしている点も、Spinnersの特徴として押さえやすい。