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Spock's Beard(スポックス・ビアード)は、1992年にアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで結成されたシンフォニック・プログレッシヴ・ロック・バンドだ。中心になったのはニール・モースとアラン・モースの兄弟で、ブルース・ジャムを通じて出会ったニック・ディヴァージリオを加えて始動した。バンド名は、『スタートレック』のエピソード「Mirror, Mirror」に出てくる“鏡の世界のスポックにはヒゲがある”という設定に由来する。
デビュー作は1995年の『The Light』で、ここでプログレ・ファンの評価を集めた。その後も『Beware of Darkness』(1996年)、『The Kindness of Strangers』(1998年)、『Day for Night』(1999年)、『V』(2000年)、『Snow』(2002年)と作品を重ねている。
この時期は、ニール・モースが主要なソングライターとヴォーカリストを担っていた。『Snow』のリリース後、ニール・モースはバンドを離れ、信仰に根ざした音楽活動へ進んだ。そこからは編成を変えながら活動を続けている。
現在のラインナップは、アラン・モース、デイヴ・メロス、リョウ・オクモト、テッド・レナードだ。過去にはニック・ディヴァージリオ、ジミー・キーガン、ニール・モースが在籍していた。
ニール・モース脱退後は、ニック・ディヴァージリオがドラムスに加えてヴォーカルも担当した。2011年にニックが抜けたあと、ジミー・キーガンがドラムス、テッド・レナードがリード・ヴォーカルとして加わっている。
Spock's Beardは、シンフォニック・プログレッシヴ・ロックを軸にしたバンドだ。長めの曲構成、組曲的な展開、鍵盤とギターの掛け合い、複数メンバーによるコーラスが特徴として挙げられる。デイヴ・メロスはベースだけでなくベースペダル、キーボード、シタールも担当していて、音の層を増やす役割も担っている。
リョウ・オクモトのキーボードは、バンドのシンフォニックな側面に直接つながっている。テッド・レナード加入後の作品では、リード・ヴォーカルを前面に出しつつ、ギターも含めたバンド演奏で構成を組み立てている。
初期の代表作としては『The Light』がよく挙げられる。続くアルバム群でも、演奏力と構成の細かさを軸にした作りが続いている。プログレッシヴ・ロックの文脈では、70年代から続く組曲的な楽曲展開や、鍵盤主体のアンサンブルを受け継ぐバンドとして見られることが多い。
一方で、メンバー交代のたびに歌と演奏の役割分担が変わっているので、同じバンド名でも時期によって印象が少しずつ違う。ニール・モース在籍期、ニック・ディヴァージリオが歌も担った時期、テッド・レナード加入後では、曲の作り方や声の置き方に差がある。
Spock's Beardを追うなら、まずは初期の『The Light』と『V』あたりから入ると流れが見えやすい。ニール・モース脱退後の作品を聴くと、バンドが編成の変化にどう対応したかも分かる。2013年の『Brief Nocturnes and Dreamless Sleep』、2015年の『The Oblivion Particle』、2018年の『Noise Floor』まで追うと、現在の形に近い演奏が見えてくる。