Vinyl Record Reviews
Subwayは、アメリカ出身のシンガーソングライターIrv Mowreyと、イギリス出身のヴァイオリニストMalcolm Watsonによるデュオだ。ジャンルはRock、Folk、World、& Countryにまたがり、スタイルとしてはPsychedelic Rock、Folk、Acid Rockに分類されている。フォークデュオとして活動を始め、のちにフランスで作品を発表している。
2人はロンドンで出会い、すぐに音楽的な相性の良さを確認したという。WatsonがMowreyの曲にヴァイオリンパートを加える形で、短い期間のうちにレパートリーを組み立てた。活動はロンドンの地下鉄構内での演奏から始まり、グループ名のSubwayもこのバスキングに由来している。
その後、地下鉄での演奏がラジオ出演につながった。Mowreyのビザ失効をきっかけに、2人は拠点をフランスへ移している。
フランスではパリのフォーククラブでオープンマイクに出演しながら、正式なギグの機会を得るようになった。レコーディングはパリ南部にあった農場を改装したスタジオで行われたとされる。1971年に発表されたセルフタイトル作『Subway』は、12弦アコースティックギターとヴァイオリンを中心にした編成が特徴で、Mowreyの歌声と内省的な歌詞も印象を残している。
一方で、このアルバムはフランスでの販売数が200枚ほどにとどまり、プロモーションもほとんど行われなかったため、当時は大きな広がりを見せなかった。現在ではフォークロックのコレクターズアイテムとして扱われている。
デュオはその後も活動を続け、1976年に『Busker』、1979年に『Continental Drift』を発表している。プロフィール情報では、1976年に別作品のリリースもあったとされる。80年代以降は、Mowreyがアメリカへ戻り、Watsonは中東やアメリカで音楽活動を続けた。
Subwayは、派手なヒット曲で知られるタイプのグループではない。むしろ、路上演奏から始まり、ロンドン、パリへと活動の場を移しながら、少人数編成で曲を積み上げていった点に特徴がある。ヴァイオリンが入ることで、一般的なフォークデュオとは少し違う音の組み立てになっている。1971年作は特に、当時の流通事情も含めて記録しておきたい1枚だ。