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Tears For Fearsは、イングランド・バースで10代の頃に出会ったカート・スミスとローランド・オーザバルを中心に、1981年に結成されたUKのデュオだ。ジャンルはElectronic、Rock、Popにまたがり、スタイルとしてはNew WaveやSynth-popに分類されることが多い。
バンド名は、アメリカの心理学者アーサー・ヤノフの「プライマル・セラピー」に由来する。スミスがヤノフの著書『Prisoners of Pain』から着想を得たとされていて、初期の曲や世界観にも、幼少期の記憶や内面の葛藤を扱う要素が見られる。
2人はニューウェイヴ・バンドGraduateでの活動を経て、Tears For Fearsを立ち上げた。初期はシンセサイザーを軸にしたサウンドと、ロックやポップの要素を組み合わせた楽曲で注目を集めていく。
1985年の2作目『Songs from the Big Chair』で大きく成功した。このアルバムは全英2位、全米1位を記録し、「Everybody Wants to Rule the World」と「Shout」がいずれも全米ビルボード・ホット100で1位を獲得している。世界で800万枚以上を売り上げたとされ、1980年代半ばの英国勢による米国進出の流れの中でも、代表的な存在として扱われてきた。
Tears For Fearsの楽曲は、シンセポップの骨格にロックの演奏感とポップの分かりやすいメロディを重ねたものが中心だ。打ち込みやシンセの使い方は80年代らしさがはっきり出ていて、同時にギターや歌の存在感も強い。
特に初期作では、単なるヒット志向のポップというより、心理学や内省を参照したテーマが前に出ている。大きなフックを持つ曲でも、歌詞の内容は個人の不安、対立、自己認識に触れるものが多い。
オリジナルの中心はローランド・オーザバルとカート・スミスの2人だが、活動期にはオレタ・アダムス、イアン・スタンリー、ニッキー・ホランド、マニー・イリアスなども関わっている。
1991年にスミスとオーザバルはいったん別々の道を歩むことになった。オーザバルはTears For Fears名義を継続し、『Elemental』(1993年)と『Raoul and the Kings of Spain』(1995年)を発表。スミスはアメリカに移ってソロ活動を始めた。
その後、2000年に2人は再び連絡を取り、制作を再開している。以降は再び2人体制を軸に活動している。
Tears For Fearsは、1980年代の英国ニューウェイヴ/シンセポップを代表するグループのひとつとして見られている。特に『Songs from the Big Chair』期の成功は大きく、当時の英米ポップスの往来を語るうえで外しにくい存在だ。
また、シンセ中心のサウンドに、ロック寄りの構成やはっきりしたメロディを組み合わせる手法は、その後のポップロックやオルタナティブ寄りのポップにもつながっていく流れの中で参照されてきた。