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The Acid Casualtiesは、Rhino Recordsの創設者の一人として知られるHarold Bronsonが手がけたプロジェクトだ。1960年代のサイケデリック・バンドのサウンドを、当時の最新録音技術で再構築することを狙っていた。1982年にRhino Recordsから唯一のアルバム『Panic Station』を発表している。
制作の中心には、ボーカル/ベースのMark Avnetと、シンセサイザー奏者のArthur Barrowがいた。Arthur BarrowはFrank Zappaのバンドでの活動でも知られている。制作はBronsonとAvnetの共同プロデュースで進められた。
メンバーはArthur Barrow、Mark Avnet、Tom Brown、Lou Naktinの4人とされている。さらにゲストとして、The DoorsのギタリストRobbie Kriegerも参加している。
『Panic Station』には、オリジナル曲だけでなくカバーも収録されている。楽曲には、初期Pink Floydのシングル「Point Me At the Sky」や、T. Rexの初期曲「Fist Heart Mighty Dawn Dart」のカバーが含まれる。
こうした選曲からも、1960年代後半から1970年代初頭のロックやサイケデリアを参照しながら制作されたことが見えてくる。
The Acid Casualtiesは、名前の印象に比べると、実際の音楽はかなり整理された作りになっている。紹介文では「ドライで、ほぼ思索的とも言える」と評されており、派手な混乱や過激さを前面に出すタイプではない。
1960年代末のサイケデリアに見られる知的な側面を拾い上げた作風として受け止められていて、後期Pink Floyd、Styx、Emerson, Lake & Palmerに通じる感触も指摘されている。シンセサイザーの使い方や構成の組み立て方にも、そうした要素が反映されているようだ。
1982年という時期に、1960年代のサイケデリック・サウンドを最新の録音技術で再現しようとした点が、このプロジェクトの特徴だ。単なる懐古ではなく、録音面の更新を通して過去の音像を作り直そうとした試みとして捉えられている。
Rhino Recordsの作品群の中でも、The Acid Casualtiesはかなり特殊な立ち位置にある。バンド名だけを見ると荒々しい印象を受けるが、実際にはそのイメージとはずれた、細部まで作り込まれたアルバムを残している。
The Acid Casualtiesは、1980年代初頭に1960年代サイケデリアを別の形で見直そうとしたプロジェクトとして、かなり個性的な存在だ。『Panic Station』は、その試みを1枚にまとめた作品として残っている。