Vinyl Record Reviews
The Avalanchesは、オーストラリア・メルボルン出身のエレクトロニック・ミュージック・グループだ。メンバーにはDarren Seltmann、Robbie Chater、Tony Diblasi、James De La Cruz、Gordon McQuilten、Dexter Fabay、Katsumiがいる。
ジャンルはElectronic、Hip Hopにまたがり、スタイルとしてはDowntempo、Abstract、Leftfield、Houseなどが挙げられる。ライブDJセットでも知られていて、初期からサンプリングを軸にした作り方で注目を集めてきた。
The Avalanchesという名前は、バンド初期に使っていた複数の一時的なステージネームの最後に落ち着いたものだ。その名前自体は1960年代のサーフ・ミュージック・アルバムから取られている。
こうした経緯を見ると、最初から固定したイメージで動いていたというより、試行錯誤を重ねながら現在の形に近づいていったグループだと分かる。
2000年のデビュー・アルバム『Since I Left You』は、The Avalanchesを語るうえで外せない作品だ。約3500ものヴァイナル・サンプルを切り貼りして構築されたアルバムとして知られている。
制作時には、どの音をどこから使ったかを細かく記録していなかったため、後からサンプルを一つずつたどって権利処理を進める必要があった。サンプル・クリアランスではPat Shannahanが関わり、約900のサンプルについて許諾を取ったとされる。
この作業の難しさもあって、イギリスや北米での発売はオーストラリア盤より遅れ、2001年にずれ込んだ。発売時には、許諾が得られなかった一部のサンプルを外した版になっている。
The Avalanchesの音楽は、サンプリングの使い方が中心にある。ヒップホップの手法を土台にしつつ、Electronic、House、Downtempo、Abstract、Leftfieldといった要素が混ざっている。
単純に元ネタを並べるのではなく、多数の音源をつなぎ直して曲の流れを作る点が特徴だ。DJセットでも知られているので、アルバム制作と現場のプレイの両方で、音の断片を組み合わせる発想が一貫している。
2作目『Wildflower』が出たのは2016年で、前作から16年が経っていた。この長い空白期間は、ファンの間でしばしば話題になり、遅れて出る続編作品のたとえとして語られることもあった。
実際にリリースされた『Wildflower』は評価が高く、Metacriticでは83点を記録している。母国オーストラリアではアルバムチャート1位、イギリスでもトップ10入りを果たした。
The Avalanchesは、サンプルを大量に使ったアルバム制作の具体例としてよく参照される。『Since I Left You』の制作背景は、サンプリングを前提にした作品づくりの難しさと、同時にその可能性を示している。
長い沈黙を経て『Wildflower』を出し、商業面でも評価面でも結果を残したことで、活動の間隔そのものも含めて注目されるグループになっている。
公式サイトや各種SNSでも活動情報を追えるので、作品単位でチェックしたい人はあわせて見ておくと便利だ。