Vinyl Record Reviews
The Countは、マサチューセッツ州サマーヴィル出身のジョー・ヴィリオーネによるプロジェクト名義。ジャンルはRock、スタイルはNew Waveに分類されている。メンバー欄にはJoe Tortelli、Carolyn Casey、Chuck Stanton、Fudge Keegan、Todd Carnes、Jay Roewe、Joseph A. Viglione、Jeff Hill、Jim Surrette、Chuck Chewning、Mike Quinn、Bill Allenの名前が並ぶ。
「The Count」という名前とキャラクターは、ヴィリオーネが子どもの頃から親しんだモンスター映画への興味に由来するという。彼は1969年にファンジンを立ち上げ、1976年には自身のレコード・レーベルを設立している。どちらも「Varulven」と名付けられており、この言葉はスウェーデン語で「人狼」を意味する。Varulven Recordsは、ボストンで最初期のロック・レーベルの一つとして知られている。
ヴィリオーネは、ボストンの老舗ライブハウス、パラダイス・シアターで通算49回の公演を行っている。また、自ら企画したショーケースを通じて、The Stompers、Mission Of Burma、The Lyres、Unnatural Axe、The Neighborhoodsといったバンドを同劇場に初めて紹介した。これらのバンドは、のちにボストンのニューウェイヴ・シーンを代表する存在として語られている。
The Count名義の作品としては、1986年にフランスのNew Rose Recordsからアルバム『New Changes』を発表している。情報として確認できる範囲では、Rockを土台にNew Waveの文脈で活動していたプロジェクトとして整理できる。ボストンのライブ・シーンやレーベル運営、ショーケース企画まで含めると、演奏だけでなく、地域の音楽環境をつくる側にも深く関わっていたことが見えてくる。
Varulven Recordsの立ち上げやパラダイス・シアターでの継続的な活動を見ると、The Countは単独のバンド名義というより、ヴィリオーネの活動全体をつなぐプロジェクト名として機能していた面がある。ボストンのニューウェイヴ周辺を追うときに、外せない名前の一つとして押さえておきたい存在だ。