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The Dramaticsは、1964年にデトロイトで結成されたソウル・ヴォーカル・グループだ。結成当初は「Sensations」を名乗り、1965年に「The Dramatics」へ改称したとされている。メンバーは時期によって入れ替わりが多く、Ron Banks、LJ Reynolds、Larry Demps、William Howard、Willie Ford、Lenny Mayes、Elbert Wilkins、Raymond Johnson、Barrington Henderson、Gary Wigginsらが在籍した。
初期の彼らは、レーベル名の誤記から「The Dynamics」と表記された作品も残している。1967年には、デトロイト暴動のさなかに起きたアルジェ・モーテル事件に当時のメンバーであるLarry Reed、Rod Davis、そして付き人のFred Templeが巻き込まれ、Templeが死亡した。この事件をきっかけに、ReedとDavisはグループを離れた。その後もメンバー交代を重ねながら活動を続けていく。
転機になったのは1971年のStax Recordsとの契約だ。DetroitのプロデューサーDon DavisとTony Hesterが制作面を担い、ここでグループは商業的な成功をつかむ。代表曲として知られるのが「Whatcha See Is Whatcha Get」「In The Rain」「Hey You! Get Off My Mountain」だ。特に「In The Rain」はR&Bチャート1位、ポップチャートでも上位に入っている。
この時期のThe Dramaticsは、曲の展開を大きく動かしすぎず、リード・ヴォーカルとコーラスのやり取りを前に出した作りが目立つ。ソウル・グループらしい編成を保ちながら、ファンク寄りのリズムも取り込んでいる。楽曲ごとの輪郭がはっきりしていて、歌のメロディとリズムの役割分担が分かりやすい。
1970年代のThe Dramaticsは、Volt、ABC Recordsでも録音している。1974年にはThe Dellsと並んでアルバムを発表した記録もある。80年代にはMCA Records、Capitol Records、Fantasyなどを経て活動を続けた。1972年から2002年にかけては、メンバー交代を挟みながら20枚のアルバムを制作している。
長く続いたグループだけに、時期ごとの顔ぶれや録音環境はかなり変わっている。それでも、複数の声を組み合わせるソウル・グループの基本形は保たれている。リードを立てつつ、コーラスで厚みを作るスタイルが中心だ。
1993年には、Snoop Doggを迎えた「Doggy Dogg World」でも注目を集めている。70年代のソウル・グループが、90年代のヒップホップ作品に参加して再び名前を広げた形だ。こうした動きから、The Dramaticsの声の使い方や曲の構成が、時代をまたいで参照されてきたことが分かる。
活動の中心はソウルだが、ファンクの要素も含むため、リズムの強さとヴォーカルの滑らかな運びが両立している。チャート実績だけでなく、後年のサンプリング文化やゲスト参加の文脈でも存在感を保っているグループだ。
The Dramaticsは、デトロイトで始まり、スタックスで大きく飛躍し、その後も長く活動を続けたソウル・ヴォーカル・グループだ。事件やメンバー交代も含めて歴史の起伏は大きいが、作品を追うと、70年代ソウルの実際の変化が見えてくる。