Vinyl Record Reviews
The Flirtationsは、アーネスティン・パース、シャーリー・パース、ヴィオラ “ヴィー”・ビラップスの3人を中心に、1960年代初頭のアメリカ南部で結成されたソウル・グループだ。プロフィール上では1962年にアラバマ州で結成され、その後1968年に活動拠点を英国へ移している。
1968年に英国へ渡ったあと、The Flirtationsはデッカ・レコード傘下のDeramレーベルと契約した。ここでの活動が、彼女たちのキャリアを大きく動かした時期になっている。
Deramでは1968年から1971年にかけて6枚のシングルを発表し、1969年には1枚のLPも残している。後年にはポリドール・レコードへ移り、活動の場を広げていった。
1968年11月に出た「Nothing But A Heartache」は、The Flirtationsを語るうえで外せない曲だ。アメリカではビルボード・ホット100で最高34位を記録している。一方で、英国ではさらに強く受け入れられ、当時勢いのあったノーザン・ソウル・シーンの中で定番曲として扱われるようになった。
この曲は英国だけでなく、オランダ、カナダ、オーストラリアでも支持を集めたとされている。現在もノーザン・ソウルを代表する楽曲のひとつとして紹介されることが多い。
The Flirtationsの音楽は、ソウルを軸にしたハーモニーと、踊れるビートを持つ曲が中心だ。特に「Nothing But A Heartache」では、複数の女性ボーカルが前に出る構成と、ノーザン・ソウルで好まれた推進力のあるリズムがはっきりしている。
ディスコグラフィーを見ると、オリジナル曲だけでなく、マーヴィン・ゲイの「Little Darling (I Need You)」のようなカバーも手がけている。レパートリーの幅はあるが、全体としてはソウル・グループらしい歌のまとまりが中心にある。
主要メンバーはアーネスティン・パース、シャーリー・パース、ヴィオラ “ヴィー”・ビラップスだが、ほかにベティ・パース、レスティン・ジョンソン、ロレッタ・ノーブルといった名前も記録されている。1974年にはヴィオラ・ビラップスがソロ活動のためにグループを離れている。
その後もThe Flirtationsはメンバーを入れ替えながら、1970年代から1980年代にかけて英国やヨーロッパでライブ活動を続けている。レコーディング中心の時期だけでなく、長くステージで活動してきたグループとして見ておきたい。