The Kinks

Vinyl Record Reviews

The Kinks

The Kinksとは

The Kinksは、1963年にロンドン北部ムスウェル・ヒルでレイ・デイヴィスとデイヴ・デイヴィスの兄弟を中心に結成されたイングランドのロック・バンドだ。ジャンルはロックで、ガレージ・ロック、モッド、ビートといった要素を含む音楽性で知られている。

メンバーは時期によって入れ替わりがあり、レイ・デイヴィス、デイヴ・デイヴィス、ミック・エイヴォリー、ピート・クワイフ、ジョン・ダルトン、イアン・ギボンズ、ジョン・ゴスリングらが在籍していた。ロック界ではかなり長い活動歴を持つバンドで、1990年にはロックの殿堂入りも果たしている。

初期の代表曲とサウンド

The Kinksを語るうえで外せないのが、1964年の代表曲「You Really Got Me」だ。この曲の荒々しいギター・サウンドは、デイヴ・デイヴィスが小型アンプ「Elpico」のスピーカーコーンをカミソリで切り裂き、ピンで穴を開ける改造を施した結果として生まれたものとされている。それをVox AC-30につないで鳴らしたところ、強い歪みが得られた。

この音は、のちのハードロックやヘヴィメタルで使われるディストーション表現の先駆けとして扱われることが多い。意図して作り込んだというより、試行錯誤の中で出てきた音が、そのままバンドの代表的な特徴になった形だ。

音楽的な特徴

The Kinksの音楽は、初期のビート・グループ的な勢いだけでなく、ガレージ・ロックの荒さ、モッド由来のリズム感、ロックンロールの直線的な構成が同居している。曲によっては、ギターの歪みが前面に出る一方で、メロディや歌の運びははっきりしている。

レイ・デイヴィスの作曲は、日常の場面や人物描写を曲に落とし込む場面が多く、バンドのサウンドだけでなく楽曲そのものでも存在感を示してきた。バンドが時代ごとに異なるロックの形を試してきたこともプロフィールに残っている。

アメリカ進出で起きたトラブル

1965年のアメリカ・ツアーでは、いくつものトラブルが起きた。ツアー序盤の成績不振で、プロモーターが約束していた現金での支払いができなくなり、バンド側との対立が強まった。リノ公演ではセットを短縮し、サクラメントでは観客の少ない会場で「You Really Got Me」を長く演奏し続けるなど、関係は悪化していった。

その結果、アメリカ音楽家連盟はバンドへの演奏許可証の発行を拒否し、事実上のアメリカ公演禁止処分となった。この状態は解除まで4年かかっている。活動の広がりを考えると、かなり大きな痛手だったはずだ。

その後の動き

活動後期も含めて、The Kinksは何度も再編や再結成の話題が出てきた。2018年にはレイ・デイヴィスが、弟のデイヴ・デイヴィスやミック・エイヴォリーとともに新しいスタジオ・アルバムのために再結成したと語っている。一方で、2023年にはミック・エイヴォリーが再結成の噂を否定しており、兄弟間の違いが理由として挙げられていた。

聴く入口として

The Kinksを初めて聴くなら、「You Really Got Me」から入るのがわかりやすい。あのギターの歪みは、バンドの名前を広めただけでなく、その後のロックの音作りにもつながっていく。そこから時期を追って聴くと、ガレージ・ロック寄りの曲、モッド色の強い曲、ビート感のある曲まで、バンドの幅が見えやすい。

参考サイトとしては、公式サイトの thekinks.info や、公式SNSの FacebookXYouTube がある。活動の流れを追うなら、WikipediaAllMusic も確認しやすい。

toast