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The Miraclesは、1955年にデトロイトの学校で「The Five Chimes」として結成されたヴォーカル・グループだ。1956年に「The Matadors」へ改名し、Claudette Rogersが加わったあと、1958年にBerry Gordyのオーディションを経て「The Miracles」となった。Motown初期を代表するグループのひとつで、Tamlaレーベルを中心に活動を広げていく。
初期のリリースは、1958年の「Got A Job」b/w「My Mama Done Told Me」から始まる。その後、End、Chess、Motownを経て、Tamlaに移ってからヒットを重ねた。グループの中心にはリード・ヴォーカルのSmokey Robinsonがいて、ソングライターとしても重要な役割を担っていた。1960年代のMotownにおいて、彼の存在はかなり大きい。
1960年の「Shop Around」は、Motownにとって最初のミリオン・セラーになった曲として知られる。BillboardのR&Bチャートで1位、Hot 100で2位を記録している。その後も「You've Really Got a Hold on Me」「Mickey's Monkey」「The Tracks of My Tears」「I Second That Emotion」などが続き、グループの名前を広く知らしめた。
1965年末には、名義が「Smokey Robinson & The Miracles」に変わった。これは別グループになったというより、同じ編成のまま表記が変わった形だ。Smokey Robinsonは1964年頃からMotownの副社長も務めていた。1972年7月にSmokeyが脱退し、Billy Griffinが後任として加入すると、名義は再びThe Miraclesに戻る。
この新しい編成では、1975年の「Love Machine」が全米1位を獲得した。The Miraclesの全米1位ヒットとしてはここが大きな節目になる。1976年にはMotownを離れてColumbiaへ移籍している。
The Miraclesの音楽は、Funk / Soulを軸にしながら、ソウルとリズム・アンド・ブルースの要素がはっきり出ている。グループ・ヴォーカルのまとまりが強く、そこにSmokey Robinsonのリードが乗る構成が基本だ。メロディの運びやコーラスの組み方は、Motownらしい作り込みが感じられる部分でもある。
また、ギタリストのMarv Tarplinが1959年に参加してからは、グループのサウンドにギターのフレーズが加わり、いわゆる「クラシック・ラインナップ」を支えた。曲によっては、ヴォーカルだけでなく演奏面の印象も残る。
The Miraclesの楽曲は、The Beatles、The Rolling Stones、The Hollies、The Zombies、The Whoなどのアーティストにカバーされてきた。Beatlesのメンバーが彼らの影響を公言している点も知られている。60年代のソウルやポップスの文脈で、かなり参照されたグループだ。
代表曲のひとつ「The Tears of a Clown」は、まずUKで1位になり、その後アメリカでも1位を記録した。Smokey Robinsonがリードを務めた時期の楽曲としては、これが唯一の全米1位になっている。
評価面では、2001年にVocal Group Hall of Fame、2012年にRock and Roll Hall of Fameへ殿堂入りしている。Smokey Robinsonは1987年にソロでRock and Roll Hall of Fame入りしていた。さらに4曲がGrammy Hall of Fameに選ばれていて、Rolling Stone誌の「100 Greatest Artists」では2004年版、2011年版のどちらでも32位に入っている。
The Miraclesは、Motown初期の流れを知るうえで外しにくいグループだ。Smokey Robinsonのソングライティング、グループ・ヴォーカルの組み立て、後年のラインナップ変更まで含めて追うと、60年代から70年代半ばまでの黒人音楽の動きが見えてくる。