Smokey Robinson And The Miracles - Going To A Go-Go (1965)
The Miracles 1965

Smokey Robinson And The Miracles - Going To A Go-Go (1965)

Funk / Soul Soul Rhythm & Blues

Smokey Robinson And The Miracles『Going To A Go-Go』(1965)

Smokey Robinson And The Miraclesの『Going To A Go-Go』は、1965年にTamlaから出たアルバムで、グループの代表作としてよく語られる一枚だ。モータウンの本拠地デトロイト、Hitsville USAで録音された楽曲を中心にまとめた内容で、当時のソウル・ミュージックが持っていた推進力と、Smokey Robinsonの繊細なメロディ感覚が、かなりはっきりした形で残っている。The Miracles名義の時代を締めくくりつつ、のちのSmokey Robinson & The Miracles表記へつながる時期の作品でもあり、グループの立ち位置を考えるうえでも重要なタイトルだ。

アルバムの位置づけ

The MiraclesはMotown初期から活動していたグループで、Smokey Robinsonは歌手としてだけでなく、ソングライター、プロデューサーとしてもレーベルの中心人物だった。このアルバムには、その役割がかなり濃く出ている。収録曲の多くでSmokeyが作曲や共作に関わっており、Warren “Pete” Mooreとの共作も目立つ。グループのギタリストMarv Tarplinの存在も大きく、「The Tracks of My Tears」の印象的な導入部のコード進行は、この作品を語るうえで外せない要素になっている。

このアルバムは、The Miraclesのスタジオ盤として唯一Top 10入りした作品でもある。BillboardのTop LPsで最高8位、R&Bアルバム・チャートでは1位を記録した。シングルの強さがアルバム全体を押し上げた形で、Motownの1965年らしい勢いがそのまま詰まっている。

収録曲とヒット曲

この作品では、先行シングルとしてヒットした曲が複数並ぶ。「Ooo Baby Baby」「The Tracks of My Tears」「My Girl Has Gone」「Going to a Go-Go」はいずれもTop 20ヒットになっていて、アルバムの核を作っている。「Choosey Beggar」もHot R&B Singlesで35位に入っている。こうした曲が一枚にまとまっているため、単なるヒット集のようにも見えるが、曲順を通して聴くと、バラード、ミドルテンポ、ダンス向けの曲が自然に切り替わっていく構成になっている。

中でも「The Tracks of My Tears」は、このアルバムを代表する一曲だ。歌詞の内容は抑制が効いていて、演奏も派手さより輪郭の明瞭さが前に出る。Motownの公式記事では、Smokeyが1月にTarplinとこの曲に取りかかり、金曜に始めて月曜にはBerry Gordyに聴かせたというエピソードが紹介されている。完成までの速度も、当時のMotownの制作環境をよく示している。

録音とサウンド

録音は1965年2月から9月にかけて行われ、一部には1963〜64年録音の曲も含まれる。とはいえ、全体としては時期の差を強く感じさせないまとまりがある。モータウン特有のはっきりしたリズム、前へ進むベース、コーラスの配置、そしてSmokeyのやわらかい歌声が、どの曲でも軸になっている。

実際に聴くと、音の作りは派手ではないのに、フックの置き方が非常に細かい。メロディが耳に残るだけでなく、コーラスの入り方やギターの短いフレーズが曲の印象を決めている。ソウル、R&Bの中でも、感情を大きく張り上げる方向というより、細部の積み重ねで引き込むタイプのアルバムだ。

同時代の文脈

1965年のMotownは、The SupremesやMarvin Gaye、Four Topsなど、ヒットを量産していた時期でもある。その中でSmokey Robinson And The Miraclesは、より内省的で、言葉の選び方や旋律の流れに重心があるグループとして際立っている。The Temptationsのような華やかなコーラス・グループと比べても、この作品は歌の温度が少し低く、代わりに細かな感情の揺れが前に出る。

のちのソウルやポップ・ソウルに与えた影響も大きい。『The Tracks of My Tears』がAretha Franklin、Linda Ronstadt、Rod Stewart、Boyz II Menらにカバーされてきた事実は、この曲がジャンルをまたいで参照され続けてきたことを示している。グラミーの殿堂とロックの殿堂に入っているのも、その位置づけを裏づける要素だ。

現在の評価

『Going To A Go-Go』は、Rolling Stone誌の「The 500 Greatest Albums of All Time」に複数回選出されている。2003年版では271位、2012年版では273位、2020年版では412位。順位の変動はあるが、60年代モータウンを代表するアルバムとしての扱いは変わっていない。

1965年のオリジナル盤は、Tamlaの当時のレーベル意匠で出ている。盤面の表記には「A TRADEMARK OF MOTOWN RECORD CORP © 1965」や、下部の「MOTOWN RECORD CORP. 2648 W GRAND BLVD. DETROIT 8, MICHIGAN」といった時代を示す情報が入っていて、当時のモータウンの実物感も強い。内容面でも見た目でも、1965年のMotownをそのまま閉じ込めた一枚だ。

トラックリスト

  1. A1 The Tracks Of My Tears 2:53
  2. A2 Going To A Go-Go 2:49
  3. A3 Ooo Baby Baby 2:42
  4. A4 My Girl Has Gone 2:51
  5. A5 In Case You Need Love 2:34
  6. A6 Choosey Beggar 2:30
  7. B1 Since You Won My Heart 2:13
  8. B2 From Head To Toe 2:25
  9. B3 All That's Good 2:52
  10. B4 My Baby Changes Like The Weather 2:40
  11. B5 Let Me Have Some 3:01
  12. B6 A Fork In The Road 3:18

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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