Vinyl Record Reviews
The Prophetsは、1972年にヴィヴィアン・ジャクソン(Yabby You)を中心に結成されたルーツ・レゲエのハーモニー・トリオだ。メンバーにはヴィヴィアン・ジャクソン、アルリック・フォーブス、ジョージ・ヴィンセント・ハンソンが含まれている。時期によっては、ダダ・スミス、ボビー・メロディ、ラルフ・ブラザーズも加わっていた。
ヴィヴィアン・ジャクソンは、17歳の頃に栄養失調で入院し、退院後も重い関節炎が残って両脚が部分的に不自由になったと伝えられている。ライブでは松葉杖を使って演奏することもあったという。そうした状況の中でも活動を続け、自然の音に霊感を得たとされる独自の宗教観と世界観を土台に、The Prophetsを立ち上げた。
The Prophetsのシングル・デビューは「Conquering Lion」だ。この曲は、古いレゲエの作法に沿った構成を持ちながら、個人的なメッセージも込められた楽曲として紹介されている。以後も数枚のシングルを発表し、それらはすべてジャクソンのデビュー・アルバム『Conquering Lion』にも収録された。
The Prophetsの中心にあるのは、ルーツ・レゲエのハーモニーだ。派手な展開よりも、ボーカルの重なりと歌詞のメッセージを前に出した作りが目立つ。ジャクソン名義の作品群も含めると、楽曲はオーソドックスなレゲエの形を保ちながら、宗教観や社会的な視点を反映した内容でまとまっている。
また、ヴィヴィアン・ジャクソンは70年代を通じてダブの先駆者キング・タビーと密接に協働していたことでも知られる。1976年のアルバム『King Tubby Meets Vivian Jackson』(別題『Chant Down Babylon』『Walls Of Jerusalem』)はその代表的な成果として挙げられる。この作品では、前半にThe Prophetsをバックにしたヤビー・ユー名義の楽曲が収録されていて、その多くはもともと7インチ・シングルとして出ていたものだ。
The Prophetsの活動は、単なるグループ作品にとどまらない。自主レーベルを使った制作姿勢や、キング・タビーとのダブ表現の探求は、ルーツ・レゲエとダブの発展を考えるうえで重要な流れに入る。ジャクソンの個人的な苦難と、そこから生まれた制作の姿勢が、そのまま作品の輪郭になっている。
The Prophetsは、ルーツ・レゲエの基本形を押さえながら、ヴィヴィアン・ジャクソンの個人的な背景と制作姿勢がそのまま反映されたグループだ。派手な知名度よりも、作品単位で追うと輪郭が見えてくるタイプの存在として紹介しやすい。